馬尾腫瘍手術例の検討

「はじめに」馬尾腫瘍は腰椎の脊柱管が広く, root escapeを生じるため, 腫瘍がかなり大きくならないと症状を呈さない4)とされる. しかし, 診断が遅れると麻痺が出現することになり早期診断が望ましいが, 症状のみから馬尾腫瘍と他の腰椎疾患とを鑑別することは必ずしも容易ではない. 今回, 私達は馬尾腫痛手術例の画像所見を調べ, 麻痺と画像所見との関連および手術成績について検討を行った. 「対象および方法」対象は1990年から2000年に当科および関連病院で手術を行った脊髄円錐部およびダンベル型腫瘍を除く馬尾腫瘍患者23例(男13例, 女10例)であり, 手術時年齢は29歳から80歳の平均...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 51; no. 1; pp. 10 - 14
Main Authors 米嵩理, 屋良哲也, 宮里剛成, 新垣勝男, 上原邦彦, 當眞嗣一, 野原博和, 金谷文則, 金城幸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2002
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:「はじめに」馬尾腫瘍は腰椎の脊柱管が広く, root escapeを生じるため, 腫瘍がかなり大きくならないと症状を呈さない4)とされる. しかし, 診断が遅れると麻痺が出現することになり早期診断が望ましいが, 症状のみから馬尾腫瘍と他の腰椎疾患とを鑑別することは必ずしも容易ではない. 今回, 私達は馬尾腫痛手術例の画像所見を調べ, 麻痺と画像所見との関連および手術成績について検討を行った. 「対象および方法」対象は1990年から2000年に当科および関連病院で手術を行った脊髄円錐部およびダンベル型腫瘍を除く馬尾腫瘍患者23例(男13例, 女10例)であり, 手術時年齢は29歳から80歳の平均55歳であった. 臨床所見は主訴が腰痛16例(70%), 下肢痛(74%), 排尿困難13例(57%)であった. 麻痺は排尿が因難で導尿を要した高度排尿障害が6例(26%), 徒手筋カテストで3以下の筋力低下を認めたものが3例(13%)であった. 単純レ線像では全例に椎体圧痕, 椎弓根間開大などの異常は認めなかった.
ISSN:0037-1033