秋田県での献血者GPT値に関する考察

輸血によるNonA NonB肝炎を減少させるためGPT値の見直しが検討されている. GPT値は個人の日差変動もいくらかあり, 性別, 体重季節による差, アルコールの摂取などの生活習慣の影響もあると云われる. 献血者のGOT, γ-GTP, LAPなどの肝機能を中心とした検査を実施しGPT値との関連性や基準値が引き下げられた場合, 新たに不合格となる献血者の他の検査がどのようになっているか検討した. GPTが25単位以下のグループは, 他の肝機能検査においてもその数値は良好であった. 男性献血者ではGPT値が現行の基準上限値以下であってもγ-GTPに高値を示す例が多いこの背景には, 秋田県の場...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 35; no. 3; p. 397
Main Authors 大里則子, 佐々木タミ, 堀慶久, 吉岡尚文, 高橋建吉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.06.1989
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ISSN0546-1448

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Summary:輸血によるNonA NonB肝炎を減少させるためGPT値の見直しが検討されている. GPT値は個人の日差変動もいくらかあり, 性別, 体重季節による差, アルコールの摂取などの生活習慣の影響もあると云われる. 献血者のGOT, γ-GTP, LAPなどの肝機能を中心とした検査を実施しGPT値との関連性や基準値が引き下げられた場合, 新たに不合格となる献血者の他の検査がどのようになっているか検討した. GPTが25単位以下のグループは, 他の肝機能検査においてもその数値は良好であった. 男性献血者ではGPT値が現行の基準上限値以下であってもγ-GTPに高値を示す例が多いこの背景には, 秋田県の場合, 飲酒が関与しているのではないか. 女性献血者でのGPT値は, 男性の場合と様相を異にしている. 今回の検索から, 秋田県での献血者に対する検査サービスは, BUNやALPよりも, むしろGOTやγ-GTPなどの肝機能検査を取り入れたほうがよいのではないかと考えられる.
ISSN:0546-1448