片麻痺患者肩関節のMRIを用いた検討

「はじめに」片麻痺患者で麻痺側の肩関節痛の発生頻度は38%~84%と報告されている3)5)11)12). MRIはレントゲン写真では捉えられないような腱板及び上腕骨の病的変化の描出が可能である. 今回私たちは麻痺側の肩関節に痛みを有する患者についてMRIを用いて検討したので若干の文献的考察を加えて報告する.「対象及び方法」症例は, 片麻痺患者で麻痺側肩関節に疼痛を認めた19例19肩関節で男性12例, 女性7例であった. 年齢は40歳~86歳(平均59.8歳)で, 原因疾患は脳出血11例, 脳梗塞6例, クモ膜下出血1例, 脳膿瘍1例であった. 発症よりMRI検査までの期間は3カ月~48カ月(平...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 4; pp. 1035 - 1038
Main Authors 比嘉丈矢, 濱崎直人, 仲宗根聰, 金谷文則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2001
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」片麻痺患者で麻痺側の肩関節痛の発生頻度は38%~84%と報告されている3)5)11)12). MRIはレントゲン写真では捉えられないような腱板及び上腕骨の病的変化の描出が可能である. 今回私たちは麻痺側の肩関節に痛みを有する患者についてMRIを用いて検討したので若干の文献的考察を加えて報告する.「対象及び方法」症例は, 片麻痺患者で麻痺側肩関節に疼痛を認めた19例19肩関節で男性12例, 女性7例であった. 年齢は40歳~86歳(平均59.8歳)で, 原因疾患は脳出血11例, 脳梗塞6例, クモ膜下出血1例, 脳膿瘍1例であった. 発症よりMRI検査までの期間は3カ月~48カ月(平均11.5カ月)であった. 他動運動時痛を全例に, 夜間痛を2例に認め, impingement sign陽性は14例であった. 使用した機種は, 東芝FLEXART(0.5T)でT1強調像(SE法), T2強調像(FSE法)を撮像した. 腱の連続性の途絶と, 同部におけるT2強調高信号を腱の断裂9), 筋肉内のlinear band状のT1強調高信号を変性とした6).
ISSN:0037-1033