フローサイトメトリーによるRh欠失型(-D-)赤血球表出抗原の同定

目的:我々は昨年の本学会において, 同胞3例がRh欠失型を示すことを赤血球凝集反応を用いて報告した. 今回, 同患者の赤血球膜表面上に発現されたRh型物質をフローサイトメトリー法にて同定することを試みた. 対象:対象者はホモ接合体を示した同胞3例とヘテロ接合体を示した患者の第1子並びに健常人. 結果:各々の平均蛍光強度値(MIF値)はホモ型の3症例では抗C:10,9,9,抗c:9,8,8,抗D:390,601,399,抗E:8,9,8,抗e:9,8,8であった. ヘテロ型においては抗C:23,抗c:8,抗D:455,抗E:9,抗e:10となった. 以上の結果から, MIF値でも赤血球上に表出さ...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 40; no. 3; p. 555
Main Authors 森澤美恵, 西原えり子, 上田正, 西谷皓次, 影岡武士, 佐々木匡秀
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.08.1994
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ISSN0546-1448

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Summary:目的:我々は昨年の本学会において, 同胞3例がRh欠失型を示すことを赤血球凝集反応を用いて報告した. 今回, 同患者の赤血球膜表面上に発現されたRh型物質をフローサイトメトリー法にて同定することを試みた. 対象:対象者はホモ接合体を示した同胞3例とヘテロ接合体を示した患者の第1子並びに健常人. 結果:各々の平均蛍光強度値(MIF値)はホモ型の3症例では抗C:10,9,9,抗c:9,8,8,抗D:390,601,399,抗E:8,9,8,抗e:9,8,8であった. ヘテロ型においては抗C:23,抗c:8,抗D:455,抗E:9,抗e:10となった. 以上の結果から, MIF値でも赤血球上に表出されたRh式血液型物質を知り得ることが示唆された.
ISSN:0546-1448