血小板輸血症例における同種抗体の検討

大量の血小板輸血を行った血液疾患患者について, 抗血小板抗体および抗リンパ球抗体の検討を行った. 抗血小板抗体は血小板浮遊螢光抗体法(PSIFT)で, 抗リンパ球抗体はLCTで検出した. 対象症例は30例で同種抗体陽性例は13/30(43.3%)であった. Single Donorを用いた場合の輸血後(12~18時間)血小板回収率は抗体陰性時平均32.6%, 陽性時Random Donorの場合12.8%であった. しかし陽性例でも血小板・リンパ球の交差試験を, PSIFTとLCTが同じパネルに陽性を示す例ではLCTのみで, 異なるパネルに陽性を示す例ではPSIFT, LCTの2法で行い, 陰...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 29; no. 3; p. 323
Main Authors 秋山美都子, 藤川容子, 藤田往子, 辻林美津代, 金光靖, 岩永隆行, 堀内篤, 吉村敬次, 下村慈, 山口英夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.07.1983
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ISSN0546-1448

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Summary:大量の血小板輸血を行った血液疾患患者について, 抗血小板抗体および抗リンパ球抗体の検討を行った. 抗血小板抗体は血小板浮遊螢光抗体法(PSIFT)で, 抗リンパ球抗体はLCTで検出した. 対象症例は30例で同種抗体陽性例は13/30(43.3%)であった. Single Donorを用いた場合の輸血後(12~18時間)血小板回収率は抗体陰性時平均32.6%, 陽性時Random Donorの場合12.8%であった. しかし陽性例でも血小板・リンパ球の交差試験を, PSIFTとLCTが同じパネルに陽性を示す例ではLCTのみで, 異なるパネルに陽性を示す例ではPSIFT, LCTの2法で行い, 陰性の供血者による血小板輸血では回収率平均34.1%であり良好な成績がえられた.
ISSN:0546-1448