(5)人工心肺中におけるセンテックの使用経験
【目的】PaCO2は人工呼吸管理下の生体監視モニターとして有用であり, 一般的にはEtCO2が広く用いられ換気のモニタリングを行っている. PaCO2を経皮的に測定し, PcCO2/SpO2モニター(SENTEC)との比較を行い, 無拍動流という特殊環境下である人工心肺中にも使用可能であるか検討した. 【方法】人工心肺を必要とする開心術7症例(CABG1症例, AVR2症例, MVR2症例, 上行置換1症例)において, 人工心肺開始から終了までの群(以下, 甲群)と, 手術終了帰室後の群(以下, 乙群)の2群に分け, SENTECで継続的にモニタリングを行ない, 動脈血液ガスサンプル時に得られ...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 34; no. 4; p. 326 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
01.12.2007
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ISSN | 0912-2664 |
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Summary: | 【目的】PaCO2は人工呼吸管理下の生体監視モニターとして有用であり, 一般的にはEtCO2が広く用いられ換気のモニタリングを行っている. PaCO2を経皮的に測定し, PcCO2/SpO2モニター(SENTEC)との比較を行い, 無拍動流という特殊環境下である人工心肺中にも使用可能であるか検討した. 【方法】人工心肺を必要とする開心術7症例(CABG1症例, AVR2症例, MVR2症例, 上行置換1症例)において, 人工心肺開始から終了までの群(以下, 甲群)と, 手術終了帰室後の群(以下, 乙群)の2群に分け, SENTECで継続的にモニタリングを行ない, 動脈血液ガスサンプル時に得られるPaCO2値とその時のSENTECのPcCO2値を2群間にて比較検討を行った. 尚, SENTECの機構上, 8時間以上の装着はデータの信頼性が損なわれるため, 乙群のこれらのデータを除いた. 【結果】甲群はY=0.1705X+25.246(N=36, R2=0.016, R=0.126)で, ほとんど相関が見られず, 乙群はY=0.7302X+10.608(N=26, R2=0.2779, R=0.527)で, 相関が見られた. 【考察】SENTECによるPcCO2の評価に際して, 甲群においては無拍動による末梢循環不全から, 耳朶の血流が不十分となり, また測定部温度の低下によるガス拡散の低下が測定値のバラツキに起因するものと考えられる. また, 乙群では比較的相関は取れているものの, 強い相関が得られなかったのは, 手術時の侵襲による一時的LOSとそれに伴う血管作動薬によるものと考察される. |
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ISSN: | 0912-2664 |