副中大脳動脈, 重複中大脳動脈に合併した脳動脈瘤の2例

脳血管系の奇形性異常に脳動脈瘤が合併しやすいことは良く知られた事実であるが1, 6, 13-15, 18), 副中大脳動脈あるいは重複中大脳動脈に合併した脳動脈瘤の報告は予想に反して著しく少ない. さらに, これら異常中大脳動脈自体の起始部に脳動脈瘤が発生した症例はわずか3例の報告を認めるにすぎない7, 20, 24). 我々は, 副中大脳動脈および重複中大脳動脈の起始部に発生した脳動脈瘤の2症例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 症例 <症例1>57才, 男性 主訴:右片麻庫 家族歴:父親が脳血管障害で死亡している. 既往歴:53才時に胃潰瘍および肝障害の既往がある....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 24; no. 3; pp. 207 - 211
Main Authors 不破功, 松角康彦, 和田秀隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 01.03.1984
Online AccessGet full text
ISSN0470-8105

Cover

More Information
Summary:脳血管系の奇形性異常に脳動脈瘤が合併しやすいことは良く知られた事実であるが1, 6, 13-15, 18), 副中大脳動脈あるいは重複中大脳動脈に合併した脳動脈瘤の報告は予想に反して著しく少ない. さらに, これら異常中大脳動脈自体の起始部に脳動脈瘤が発生した症例はわずか3例の報告を認めるにすぎない7, 20, 24). 我々は, 副中大脳動脈および重複中大脳動脈の起始部に発生した脳動脈瘤の2症例を経験したので, 文献的考察を加え報告する. 症例 <症例1>57才, 男性 主訴:右片麻庫 家族歴:父親が脳血管障害で死亡している. 既往歴:53才時に胃潰瘍および肝障害の既往がある. 現病歴:入院4ヵ月前に転倒して後頭部を打撲し, 受傷後4~5時間の意識障害があったが後遺症なく回復した. しかし, 入院2ヵ月前頃より仕事がのろくなり, アルコール類を多飲するようになった. 入院2日前, 仕事中に突然右上下肢の脱力に気付き, この頃より言葉がしゃべりにくく, つじつまの合わないことを言うようになったため当院神経内科を受診し, CT scanおよび脳血管撮影で慢性硬膜下血腫と診断され当科入院となった.
ISSN:0470-8105