Feet-Upで四つ這いする子どもの歩行予後

脳の発達障害を持つ子どものなかにその運動発達過程で四つ這いを獲得した時期に足を床から離して挙上した状態で四つ這い移動する子どもたちがいる. Hagbergがとりあげ, この“Feet-up”は失平衡症候群に特徴的にみられるとした. 我々は1989~2000年の間にこうした四つ這いをする子どもを36人観察することができた. 全例で中等度から強度の精神遅滞がみられ, 立位歩行能力に著しい遅れがみられた. また疾患の内訳では失平衡症候群だけでなく, 失調症や痙直型脳性麻痺, 精神遅滞としか呼べないもの, ウェスト症候群, 自閉症, ソトス症候群, 猫泣き症候群, アンジェルマン症候群, 溺水後遺症な...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 38; no. 5; p. 406
Main Authors 岡川敏郎, 赤木滋, 田畑出
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.05.2001
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ISSN0034-351X

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Summary:脳の発達障害を持つ子どものなかにその運動発達過程で四つ這いを獲得した時期に足を床から離して挙上した状態で四つ這い移動する子どもたちがいる. Hagbergがとりあげ, この“Feet-up”は失平衡症候群に特徴的にみられるとした. 我々は1989~2000年の間にこうした四つ這いをする子どもを36人観察することができた. 全例で中等度から強度の精神遅滞がみられ, 立位歩行能力に著しい遅れがみられた. また疾患の内訳では失平衡症候群だけでなく, 失調症や痙直型脳性麻痺, 精神遅滞としか呼べないもの, ウェスト症候群, 自閉症, ソトス症候群, 猫泣き症候群, アンジェルマン症候群, 溺水後遺症などにこうした四つ這いがいろいろな程度にみられた. 歩けた者は36人中22人で平均始歩60.7ヵ月齢, 這ってから歩けるまで平均23.7ヵ月かかっている. 歩けても不安定で, 歩行予後は不良である.
ISSN:0034-351X