RT-PCR法による末梢血幹細胞への白血病細胞混入の検討

化学療法による骨髄抑制からの造血回復期に末梢血中の造血幹細胞が一過性に増加することが明らかになり, 最近では, この末梢血幹細胞を超大量化学療法後の造血救済に利用する自己末梢血幹細胞移植術が, 自血病をはじめとする悪性腫瘍に対して広く行われてきている. 自家移植においては, 重要な問題の1つに移植幹細胞中への腫瘍細胞の混入がある. 末梢血幹細胞移植術の有利な点の1つとして, 末梢血幹細胞の方が骨髄細胞に比べて白血病細胞の混入が少ないことが期待されているが, 十分に比較検討された報告はまだない. 今回われわれは, Ph^1 陽性急性白血病, 急性前骨髄性白血病例(APL)を対象とし, rever...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 39; no. 5; pp. 888 - 889
Main Authors 衛藤徹也, 長藤宏司, 原田直樹, 稲葉頒一, 高松泰, 原田実根, 仁保喜之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.10.1993
Online AccessGet full text
ISSN0546-1448

Cover

Loading…
More Information
Summary:化学療法による骨髄抑制からの造血回復期に末梢血中の造血幹細胞が一過性に増加することが明らかになり, 最近では, この末梢血幹細胞を超大量化学療法後の造血救済に利用する自己末梢血幹細胞移植術が, 自血病をはじめとする悪性腫瘍に対して広く行われてきている. 自家移植においては, 重要な問題の1つに移植幹細胞中への腫瘍細胞の混入がある. 末梢血幹細胞移植術の有利な点の1つとして, 末梢血幹細胞の方が骨髄細胞に比べて白血病細胞の混入が少ないことが期待されているが, 十分に比較検討された報告はまだない. 今回われわれは, Ph^1 陽性急性白血病, 急性前骨髄性白血病例(APL)を対象とし, reverse transcriptase polymerase chain reaction(RT-PCR)法を用い, 採取した末梢血幹細胞と同時期の骨髄単核球への白血病細胞の混入を比較検討したので報告する.
ISSN:0546-1448