巨細胞腫により仙骨全摘出術を施行された患者の1リハビリテーション経験

仙骨全摘出術, 術後リハビリテーションに関する報告は少ない. 今回, 巨細胞腫により仙骨全摘出術を施行され, 術後, 車椅子レベルでのADL自立, 屋内短距離歩行可能となった症例を経験した. 症例は25歳女性. 平成10年7月頃腰痛, 左下肢痛が出現, 仙骨巨細胞腫と診断. 平成11年4月21日仙骨全摘出術施行. 4月30日当科依頼. 6月30日骨盤輪再建術施行. その後, 合併症を併発し入院が長引いた. 平成12年7月12日当科転科時, 運動機能は右L3, 左L4まで残存し, 膀胱直腸障害を認めた. 左腸骨と腰椎は骨癒合不全が疑われた. 仙骨全摘出術後の歩行能力として, L5/S1レベルでの...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 38; no. 2; p. 149
Main Authors 竹川徹, 大熊るり, 安保雅博, 植松海雲, 殷祥洙, 荒川わかな, 青木彩子, 宮野佐年
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.02.2001
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ISSN0034-351X

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Summary:仙骨全摘出術, 術後リハビリテーションに関する報告は少ない. 今回, 巨細胞腫により仙骨全摘出術を施行され, 術後, 車椅子レベルでのADL自立, 屋内短距離歩行可能となった症例を経験した. 症例は25歳女性. 平成10年7月頃腰痛, 左下肢痛が出現, 仙骨巨細胞腫と診断. 平成11年4月21日仙骨全摘出術施行. 4月30日当科依頼. 6月30日骨盤輪再建術施行. その後, 合併症を併発し入院が長引いた. 平成12年7月12日当科転科時, 運動機能は右L3, 左L4まで残存し, 膀胱直腸障害を認めた. 左腸骨と腰椎は骨癒合不全が疑われた. 仙骨全摘出術後の歩行能力として, L5/S1レベルでの切除, 両側L5神経根の温存で歩行可能との報告がある. 本症例はL4/L5レベルでの切除であり, また, 再建された骨盤輪の強度が問題となったが, 最終的に両側短下肢装具装着下に両側松葉杖での屋内短距離歩行は獲得された.
ISSN:0034-351X