中国某アルミニウム製錬工場労働者の毛髪中フッ素濃度について

中国の某アルミニウム製錬工場で, 労働環境気中フッ素化合物濃度と労働者の毛髪中フッ素濃度を測定した. 気中フッ素化合物は, 粒子状水溶性およびガス状フッ素化合物に分別測定した. 毛髪は, 頭部数カ所より毛髪の根本部分から切り取り採取した. これらの試料中フッ素濃度は, パイロハイドロリシスによるフッ素高温気化分離装置と, フッ素イオン電極を検出器とするフローインジェクション分析装置を用いた. 気中フッ素化合物濃度は, 幾何平均値で粒子状水溶性フッ素化合物が0.16mg/立方メートル, ガス状フッ素化合物が0.38mg/立方メートルであった. 毛髪中フッ素濃度は(幾何平均値:μg/g), 電解勤...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 40; no. 5; p. 234
Main Authors 板井一好, 立身政信, 中屋重直, 小野田敏行, 野原勝, 小栗重統, 角田文男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.09.1998
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Summary:中国の某アルミニウム製錬工場で, 労働環境気中フッ素化合物濃度と労働者の毛髪中フッ素濃度を測定した. 気中フッ素化合物は, 粒子状水溶性およびガス状フッ素化合物に分別測定した. 毛髪は, 頭部数カ所より毛髪の根本部分から切り取り採取した. これらの試料中フッ素濃度は, パイロハイドロリシスによるフッ素高温気化分離装置と, フッ素イオン電極を検出器とするフローインジェクション分析装置を用いた. 気中フッ素化合物濃度は, 幾何平均値で粒子状水溶性フッ素化合物が0.16mg/立方メートル, ガス状フッ素化合物が0.38mg/立方メートルであった. 毛髪中フッ素濃度は(幾何平均値:μg/g), 電解勤続年数別に0年:6.25, 5年以下:211, 6-10年:193, 11-15年:342, 16年以上:189であった. 電解作業従事者群では, 非電解作業従事者群より30倍以上の高値を示したが, 電解勤続年数別群間では差は認められなかった.
ISSN:1341-0725
1349-533X