反復性肺炎を契機に発見され気管支内発育を呈したLipomatous Hamartomaの1例

症例は57歳, 男性. 8年前から右下葉の反復性肺炎で他院にて入退院を繰り返し, 2000年5月の入院時に胸部X線で右下葉の容量減少, 胸部CTで右底幹の閉塞とその末梢の無気肺像を認め精査目的で当院紹介入院となった. 気管支鏡では黄白色調の表面平滑で可動性良好な腫瘍を右気管支底幹に認め, 穿刺細胞診はclass IIであった. また胸部MRIではT1強調で高信号の径18×12mmの腫瘤であった. 閉塞性肺炎を繰り返すことから7月13日腫瘍摘出術を施行. 肉眼所見では腫瘍は気管支内にポリープ状に発育し, 病理組織では腫瘍は一部間葉系組織を含む成熟脂肪組織からなり, 骨・軟骨成分は認めなかった....

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Published in気管支学 Vol. 23; no. 2; p. 175
Main Authors 西尾佳子, 田口善夫, 馬庭厚, 前田勇司, 櫻本稔, 加藤晃史, 井上哲郎, 田中栄作, 郡義明, 種田和清, 長澤みゆき, 神頭徹, 伏見育崇, 野間恵之, 弓場吉哲, 小橋陽一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.03.2001
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は57歳, 男性. 8年前から右下葉の反復性肺炎で他院にて入退院を繰り返し, 2000年5月の入院時に胸部X線で右下葉の容量減少, 胸部CTで右底幹の閉塞とその末梢の無気肺像を認め精査目的で当院紹介入院となった. 気管支鏡では黄白色調の表面平滑で可動性良好な腫瘍を右気管支底幹に認め, 穿刺細胞診はclass IIであった. また胸部MRIではT1強調で高信号の径18×12mmの腫瘤であった. 閉塞性肺炎を繰り返すことから7月13日腫瘍摘出術を施行. 肉眼所見では腫瘍は気管支内にポリープ状に発育し, 病理組織では腫瘍は一部間葉系組織を含む成熟脂肪組織からなり, 骨・軟骨成分は認めなかった. 以上より本症例をLipomatous hamartomaと診断した.
ISSN:0287-2137