等速運動器機を用いた人工股関節置換術後のTrendelenburg徴候改善のリハビリテーション
「目的」これまでに等速運動器機を用いて人工股関節置換術(以下THA)後のTrendelenburg徴候(以下T徴候)の要因が角速度45°/sec以上での外内転筋の不均衡であることを明らかにした. 今回それをもとにリハビリテーションプログラムを作成, 実践し, その効果を検討した. 「対象および方法」変形性股関節症にてTHAを施行し, 丁徴候が改善しなかった8例8関節(全例女性, 44~83歳, 平均65.9歳)を対象とした. プロトコールは設定角速度60,75°/sec, 求心性および遠心性筋収縮を各1セットずつの計4セット, 1セットの回数10回, セット間の休息は30秒とした. 等速運動器...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 37; no. 12; p. 1099 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.12.2000
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 「目的」これまでに等速運動器機を用いて人工股関節置換術(以下THA)後のTrendelenburg徴候(以下T徴候)の要因が角速度45°/sec以上での外内転筋の不均衡であることを明らかにした. 今回それをもとにリハビリテーションプログラムを作成, 実践し, その効果を検討した. 「対象および方法」変形性股関節症にてTHAを施行し, 丁徴候が改善しなかった8例8関節(全例女性, 44~83歳, 平均65.9歳)を対象とした. プロトコールは設定角速度60,75°/sec, 求心性および遠心性筋収縮を各1セットずつの計4セット, 1セットの回数10回, セット間の休息は30秒とした. 等速運動器機はMYORET RZ-450を使用した. 評価は外内転筋のpeak torque(設定角速度0~90°/secの範囲で15°単位), 外内転筋比(外転筋/内転筋), %maximal voluntary contraction(以下%MVC)を用いた. 「結果・考察」T徴候の改善は8例中7例にみられ, 平均リハ回数は11.4回であった. 45°/sec以上において外転筋のpeak torqueおよび外内転筋比は有意に増大した. 外転筋%MVCは角速度の増大による減少が抑えられた. 内転筋のpeak torqueおよび内転筋%MVCには差はなかった. 全角速度における外転筋のpeak torqueの増大と, 角速度の増大による%MVCの減少の抑制のため相性運動単位が動員され, 収縮速度が早く, 大きな筋張力が得られ, T徴候が改善したものと考える. |
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ISSN: | 0034-351X |