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外傷性下肢切断者の予後
外傷性下肢切断者21例(男17例, 女4例:年齢13~81歳, 平均39.8歳)の予後調査を行い, 社会復帰群10例, 非社会復帰群9例, 死亡群2例に分け, 年齢, 受傷原因, 切断部位, 合併損傷, 既往症との関係を検討した. 年齢は社会復帰群の平均30.0歳, 非社会復帰群48.1歳と大きな差がみられた. 受傷原因別では, 社会復帰例は交通事故6例中5例, 労災5例中3例に対し, 自殺企図(電車への飛び込み)では9例中1例のみであった. 切断部位は片側切断15例, 両側切断6例で, 社会復帰例は片側切断が9例, 両側切断は1例のみであった. 片側切断の場合, 大腿切断7例中4例, 下腿切...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 29; no. 12; pp. 1074 - 1075 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
01.12.1992
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0034-351X |
Cover
Summary: | 外傷性下肢切断者21例(男17例, 女4例:年齢13~81歳, 平均39.8歳)の予後調査を行い, 社会復帰群10例, 非社会復帰群9例, 死亡群2例に分け, 年齢, 受傷原因, 切断部位, 合併損傷, 既往症との関係を検討した. 年齢は社会復帰群の平均30.0歳, 非社会復帰群48.1歳と大きな差がみられた. 受傷原因別では, 社会復帰例は交通事故6例中5例, 労災5例中3例に対し, 自殺企図(電車への飛び込み)では9例中1例のみであった. 切断部位は片側切断15例, 両側切断6例で, 社会復帰例は片側切断が9例, 両側切断は1例のみであった. 片側切断の場合, 大腿切断7例中4例, 下腿切断6例中4例, 股関節離断の1例が社会復帰しており, 切断レベルによる明らかな差はみられなかった. 受傷時の合併損傷(骨折, 上腕切断, 肺挫傷等)は社会復帰群6例, 非社会復帰群4例にみられ両者の差は明らかでなかった. 一方, 精神障害, 慢性関節リウマチ等の既往症のある10症例中社会復帰例は2例のみであった. 以上より, 外傷性下肢切断者の社会復帰に影響を与える因子として, 受傷時年齢, 受傷原因, 既往症特に精神障害その他の身体障害の有無, 切断肢数が挙げられる. 年齢の高い症例, 精神障害をもった自殺企図による症例, 両下肢切断や上肢切断合併例は社会復帰が困難である. <質疑応答> 平井正才(吉備高原医療リハセンター):外傷性切断ゆえ良好な断端が得られがたいと思われますが, それが社会復帰を阻害する因子となった症例はございましたでしょうか. 横畠由美子:断端部の状態不良のため再切断を行う等義足装着に長期間を要した症例は含まれているが, 切断後2年以上経過した時点で調査したため, 最終的には断端部の状態不良による予後不良例はなかった. |
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ISSN: | 0034-351X |