当院の輸血業務一元化について

当院はベッド数451床, 年間血液製剤の使用数が約5,500単位(MAP・FFP・PC総計)の中規模の総合病院で, 従来, 薬剤部と検査科で輸血業務を行ってきた. 平成9年春, 放射線照射装置を導入した際, 輸血業務を一元化し現在に至っている. 当院においての一元化の経過と有用性を報告する. 概要:装置の導入に伴い, 放射線照射業務を検査科で行う要望が輸血療法委員会からでた. 従来の各部門の業務は[薬剤部]血液製剤管理・払い出し(夜間は検査科が代行)・輸血筆処理等[検査科]輸血検査・副作用調査等であった為, 照射血の事務処理や未照射血との管理はさらに複雑になり混乱を招く懸念があった. 協議の結...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 1; p. 39
Main Authors 児島葉子, 西川かおり, 林敏昭, 矢野朋文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.02.1999
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Summary:当院はベッド数451床, 年間血液製剤の使用数が約5,500単位(MAP・FFP・PC総計)の中規模の総合病院で, 従来, 薬剤部と検査科で輸血業務を行ってきた. 平成9年春, 放射線照射装置を導入した際, 輸血業務を一元化し現在に至っている. 当院においての一元化の経過と有用性を報告する. 概要:装置の導入に伴い, 放射線照射業務を検査科で行う要望が輸血療法委員会からでた. 従来の各部門の業務は[薬剤部]血液製剤管理・払い出し(夜間は検査科が代行)・輸血筆処理等[検査科]輸血検査・副作用調査等であった為, 照射血の事務処理や未照射血との管理はさらに複雑になり混乱を招く懸念があった. 協議の結果, 血漿分画製剤を除く血液製剤の管理を検査科に移管し係る業務を一元化することになった. その為輸血担当技師の兼任業務の見直しを行い, 平成9年4月一元化した. その後, 5月―時間内照射, 8月―時間外照射対応, 9月―輸血管理名簿・クロスマッチ検体6ヵ月保存・白血球除去フィルター推進整備, 平成10年1月―研修医向け講義などを行った. 結語:人員数据え置きのまま, 照射業務と血液管理業務が増えたが輸血担当以外の技師の理解を得, 啓蒙を行った. 夜間緊急検査の場合にも院内で大きな混乱はなかった. 一元化後血液製剤, 伝票類の動線に無駄がなく情報も得やすくなった. 輸血療法に関する体制整備も推進しやすく, 特に主治医と検査データを把握しながら血液在庫, 供給のタイミングを図ることができるのは当院の規模のメリットと考える.
ISSN:0546-1448