声帯前連合癒着症のレーザー治療

声帯前連合癒着を来した3症例に対して, 直達咽頭鏡下にCO_2 , レーザー手術を施行した全症例とも術後の創部治癒は良好であり, 嗄声, 呼吸困難などの症状の改善を認めた. この方法は, 明視下に術野を確認でき, 操作が比較的簡便であり術中の出血もほとんどなく, 術野の選定と, 術創の範囲の調整が容易であった. また, 術後離断創部の肉芽形成は少なかった. 声帯膜様部の瘢痕形成も少なく, 声帯振動に与える影響が, 比較的小さかった. さらに症状に応じて, 追加手術が可能であった. 術後の再癒着は, レーザー手術後にも生じることがあり, 症例によっては癒着防止のための操作を, レーザー手術と併用...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 14; no. 3; p. 79
Main Authors 岩田義弘, 竹内健二, 越知美樹子, 岩田重信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 01.09.1993
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ISSN0288-6200

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Summary:声帯前連合癒着を来した3症例に対して, 直達咽頭鏡下にCO_2 , レーザー手術を施行した全症例とも術後の創部治癒は良好であり, 嗄声, 呼吸困難などの症状の改善を認めた. この方法は, 明視下に術野を確認でき, 操作が比較的簡便であり術中の出血もほとんどなく, 術野の選定と, 術創の範囲の調整が容易であった. また, 術後離断創部の肉芽形成は少なかった. 声帯膜様部の瘢痕形成も少なく, 声帯振動に与える影響が, 比較的小さかった. さらに症状に応じて, 追加手術が可能であった. 術後の再癒着は, レーザー手術後にも生じることがあり, 症例によっては癒着防止のための操作を, レーザー手術と併用する必要があると考えられた.
ISSN:0288-6200