重度重複障害児者の喉頭気管分離術の経過について
嚥下・呼吸障害を有する重度重複障害児者に対する治療として, 誤嚥防止が可能な喉頭気管分離術(TED)が優れている. 今回, TEDの経過・合併症等を検討した. 対象は当院で経過観察している37例(男21, 女16)で, 手術時年齢は1~33歳, 手術からの観察は7カ月~8年であった. TEDに至った主原因は単純気管切開術後8例では下気道感染6例, +気管孔狭窄2例, TEDを直接行った29例では下気道感染16例, +抜管困難8例, 上気道狭窄3例, 急性呼吸不全2例であった. 下気道感染症は反復性誤嚥性であった. 現在の状況は死亡7例で直接の原因は突然死・気管からの大出血・心不全・呼吸不全であ...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 35; no. 11; p. 867 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.11.1998
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 嚥下・呼吸障害を有する重度重複障害児者に対する治療として, 誤嚥防止が可能な喉頭気管分離術(TED)が優れている. 今回, TEDの経過・合併症等を検討した. 対象は当院で経過観察している37例(男21, 女16)で, 手術時年齢は1~33歳, 手術からの観察は7カ月~8年であった. TEDに至った主原因は単純気管切開術後8例では下気道感染6例, +気管孔狭窄2例, TEDを直接行った29例では下気道感染16例, +抜管困難8例, 上気道狭窄3例, 急性呼吸不全2例であった. 下気道感染症は反復性誤嚥性であった. 現在の状況は死亡7例で直接の原因は突然死・気管からの大出血・心不全・呼吸不全であった. 下気道感染症は多数で改善をみとめ, 呼吸機能・摂食機能で半数に改善を認めた. 合併症は, 気管からの大出血・痩孔・肉芽の形成を認めた. TEDは生命予後の改善, ADLの改善に効果がある. 今後, 手術時期・術後口腔機能の検討が必要である. |
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ISSN: | 0034-351X |