輸血用血液製剤の安全性に関する討論会のまとめ

血液製剤の安全性に関する討論会を実施し各立場の関係者と意見交換を行った. ウイルス学的な面, 免疫学的な面, 適正なドナー確保の面から話題が提供された. 血液センターでは多項目の検査を行った後各医療機関へ供給している訳であるが, すべての安全性はカバーしきれないのが現状である. 従って, 自己血輸血で対応するとか, ベッドサイドで白血球除去を実施するとか, 自分の施設で放射線照射をするなどの工夫が各医療機関でたされなければならない. その一方で, CMV陰性血の確保や院内採血による新鮮血使用の抑制は, 血液センターが円滑に機能することで達成されるものである. 一方にだけ責任を押しつけがちな体制...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 38; no. 3; p. 490
Main Authors 大里則子, 高橋建吉, 吉岡尚文, 面川進, 三浦亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.06.1992
Online AccessGet full text
ISSN0546-1448

Cover

More Information
Summary:血液製剤の安全性に関する討論会を実施し各立場の関係者と意見交換を行った. ウイルス学的な面, 免疫学的な面, 適正なドナー確保の面から話題が提供された. 血液センターでは多項目の検査を行った後各医療機関へ供給している訳であるが, すべての安全性はカバーしきれないのが現状である. 従って, 自己血輸血で対応するとか, ベッドサイドで白血球除去を実施するとか, 自分の施設で放射線照射をするなどの工夫が各医療機関でたされなければならない. その一方で, CMV陰性血の確保や院内採血による新鮮血使用の抑制は, 血液センターが円滑に機能することで達成されるものである. 一方にだけ責任を押しつけがちな体制や他機関に対する誤解などはこのような討論会によって, 良い方向に向うものであり, 血液事業の向上につながる.
ISSN:0546-1448