末梢血幹細胞凍結保存の検討

「目的」 末梢血幹細胞(以下PBSCと略)の凍結, 保管にはプログラムフリーザーで凍結し, 液体窒素で保存する方法(以下従来法と略)と冷凍庫を用いて-80℃で凍結保存する方法(以下簡便法と略)がある. 今回簡便法にて凍結保存したPBSCについて凍結後2~4年経過したものの解凍後保存状態を調べたので報告する. 「方法」 簡便法にて凍結保存したPBSCのBAG本体と小分けしてサンプルチューブに保管したもの(以下SAMPLEと略)を37℃の恒温槽にて解凍し, 有核細胞数, バイアビリティー, CD34陽性細胞数, コロニー形成細胞数を測定した. 「結果および考察」 有核細胞数, CD34陽性細胞数,...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 47; no. 2; p. 244
Main Authors 森鉄男, 力丸佳子, 木山美香, 荒木ひとみ, 佐藤博行, 前田義章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.2001
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ISSN0546-1448

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Summary:「目的」 末梢血幹細胞(以下PBSCと略)の凍結, 保管にはプログラムフリーザーで凍結し, 液体窒素で保存する方法(以下従来法と略)と冷凍庫を用いて-80℃で凍結保存する方法(以下簡便法と略)がある. 今回簡便法にて凍結保存したPBSCについて凍結後2~4年経過したものの解凍後保存状態を調べたので報告する. 「方法」 簡便法にて凍結保存したPBSCのBAG本体と小分けしてサンプルチューブに保管したもの(以下SAMPLEと略)を37℃の恒温槽にて解凍し, 有核細胞数, バイアビリティー, CD34陽性細胞数, コロニー形成細胞数を測定した. 「結果および考察」 有核細胞数, CD34陽性細胞数, コロニーアッセイにつては, 凍結後2~4年経過したBAG,SAMPLEと凍結前のデータに差は認められないが, バイアビリティーについては, 凍結前のデータより有意な低下が認められた. 特にSAMPLEについてはその低下の程度が大きい. 一般的には長期保存に関しては従来法が望ましいと言われているが, 今回の結果より数年位(4~5年程度)の保管においては, 保管設備の容易さ, 凍結方法の簡便さを考慮して, 簡便法で支障はないのではないか.
ISSN:0546-1448