高位脛骨骨切り術(Interlocking Wedge Osteotomy)における手術要点

「はじめに」変形性膝関節症は整形外科変性疾患の中でも頻度の高い疾患であり, 保存療法に抵抗する症例に対する高位脛骨骨切り術の効果には優れたものがあり, 確立された治療法と言える1)2). 緒方5)6)が開発したInterlocking Wedge Osteotomy(以下IWO)は従来の方法よりその接触面積増大による固定性やPF関節に及ぼす効果など考慮すると優れた方法であり, 内固定材料としてBlade Stapleを用いた療法には定評がある3)9). 特に, この骨切り術の壮年期患者への適応は人工関節置換術よりはるかに広い. 壮年期患者においては早期職場復帰を考えると術後療法の短縮は望まれる...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 54; no. 4; pp. 817 - 820
Main Authors 川村秀哉, 山口智太郎, 坂本央, 寺戸一成, 冨重治, 利光哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.2005
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Summary:「はじめに」変形性膝関節症は整形外科変性疾患の中でも頻度の高い疾患であり, 保存療法に抵抗する症例に対する高位脛骨骨切り術の効果には優れたものがあり, 確立された治療法と言える1)2). 緒方5)6)が開発したInterlocking Wedge Osteotomy(以下IWO)は従来の方法よりその接触面積増大による固定性やPF関節に及ぼす効果など考慮すると優れた方法であり, 内固定材料としてBlade Stapleを用いた療法には定評がある3)9). 特に, この骨切り術の壮年期患者への適応は人工関節置換術よりはるかに広い. 壮年期患者においては早期職場復帰を考えると術後療法の短縮は望まれるところであるが, 術後早期荷重を行うといくらかの外固定を加えたにせよ, 再内反を生じており, 長期成績の不良例がでる可能性が指摘されている3)10). 今回手術手技を過去の症例を振り返って検討し, その問題点を明らかにした. 症例と評価方法 症例は1998年以後, 当院およびその関連施設にて筆者が内側型の変形性膝関節症と大腿骨内側顆骨壊死に対してIWOを行った症例である. Blade Staple群は1998年3月より2002年6月までの間に手術を行い, Blade Stapleで内固定した群で62例69膝であり, Surfix群は2002年10月より2004年3月までにSurfix Lock Plateにて内固定した41例44膝である.
ISSN:0037-1033