幽門側胃切除術後の脳卒中嚥下障害患者に対する内視鏡的胃瘻造設術の有用性
「目的」嚥下障害の重度の症例に対して, 平成9年10月より9例内視鏡的胃瘻造設術の(PEG)を施行したが, 今回, 幽門側胃切除後の症例ではあるが, PEGを施行したことによりリハビリテーション(以下, リハ)可能となった症例を経験したので, 手術手技, 術前後のリハなどをビデオを用いて報告する. 「症例・現病歴」64歳男性. 平成9年4月6日左片麻痺出現. 頭部CTにて右被殻出血認められたため保存的に治療した. 入院時より嚥下障害強く, 経鼻胃管よりの経腸栄養施行中, 何回となく, 誤嚥性の肺炎を繰り返した. 「経過」8月25日リハ目的にて当院転院するも, 重度の誤嚥性肺炎による全身状態悪化...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 35; no. 12; p. 1020 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.12.1998
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Summary: | 「目的」嚥下障害の重度の症例に対して, 平成9年10月より9例内視鏡的胃瘻造設術の(PEG)を施行したが, 今回, 幽門側胃切除後の症例ではあるが, PEGを施行したことによりリハビリテーション(以下, リハ)可能となった症例を経験したので, 手術手技, 術前後のリハなどをビデオを用いて報告する. 「症例・現病歴」64歳男性. 平成9年4月6日左片麻痺出現. 頭部CTにて右被殻出血認められたため保存的に治療した. 入院時より嚥下障害強く, 経鼻胃管よりの経腸栄養施行中, 何回となく, 誤嚥性の肺炎を繰り返した. 「経過」8月25日リハ目的にて当院転院するも, 重度の誤嚥性肺炎による全身状態悪化のためリハ不可能であった. 早急にPEGの適応と判断したが, 胃切除後というrisk factorがあるため, 患者, 家族のinformed consentを得るのに難渋した. 腹部CT, 腹部Echo, 術前の内視鏡検査などにより穿刺可能と判断し, pull法を用いて一期的にボタン型胃瘻を造設した. PEG造設前後での栄養状態の指標として, 総蛋白, アルブミン, rapid tumover protein(RTP)を用い比較検討した. 「結果」胃瘻造設後は, 誤嚥性肺炎が認められなくなり, 全身状態が改善することによりリハが可能になった. PEGによる胃瘻栄養法は, 肺炎などの合併症も少なく, 長期栄養管理に有用であると思われた. |
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ISSN: | 0034-351X |