膀胱肉腫様癌の1例
肉腫様癌は病理組織学的に, 上皮性由来の腫瘍細胞が多形性の紡錘形細胞の形態をとった腫瘍と特徴づけられ, 膀胱悪性腫瘍中, 約0.3%の頻度で, 膀胱にも発生する. 今回, 1症例を経験したので, 報告する. 患者は, 72歳の男性で, 主訴は血尿である. 1999年3月9日, 膀胱全摘, 骨盤リンパ節廓清, 回腸導管造設術を施行し, pT2, pN0, pM0, pStage IIであった. 7月に, 肺転移, 脳転移が, 発見され, 30Gyの全脳照射を行ったが, 効果なく, 10月23日に, 死亡した. 肉腫様癌は, 癌肉腫と混同されるが, 前者が全て上皮性由来の腫瘍で構成されるのに対し,...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 51; no. 1; p. 57 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
2001
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Summary: | 肉腫様癌は病理組織学的に, 上皮性由来の腫瘍細胞が多形性の紡錘形細胞の形態をとった腫瘍と特徴づけられ, 膀胱悪性腫瘍中, 約0.3%の頻度で, 膀胱にも発生する. 今回, 1症例を経験したので, 報告する. 患者は, 72歳の男性で, 主訴は血尿である. 1999年3月9日, 膀胱全摘, 骨盤リンパ節廓清, 回腸導管造設術を施行し, pT2, pN0, pM0, pStage IIであった. 7月に, 肺転移, 脳転移が, 発見され, 30Gyの全脳照射を行ったが, 効果なく, 10月23日に, 死亡した. 肉腫様癌は, 癌肉腫と混同されるが, 前者が全て上皮性由来の腫瘍で構成されるのに対し, 後者は上皮性由来の細胞と非上皮性由来の細胞の併存により構成されることで, 鑑別される. 両者とも, 予後は極めて不良であり, 予後規定因子としては, 病理学的病期が重要である. |
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ISSN: | 1343-2826 |