食道・気管double stentがQOLの改善に有用であった肺扁平上皮癌の1例

悪性疾患による食道狭窄は拡張術のみを行っても再狭窄しやすくステント挿入が好ましいとされている. また中枢気道狭窄に対してもレーザー焼灼, 腔内照射, 光線力学的治療に加えて気道ステントが用いられている. 今回我々は中部食道および左主気管支にステントを挿入しQOLの著明改善を認めた肺扁平上皮癌の一例を経験したので報告する. 症例は48歳男性. 平成12年9月から12月当院で左主気管支原発の肺扁平上皮癌に対し化学放射線療法を行いCRと判定され, 外来通院で経過観察していたが平成13年4月頃から徐々に食思不振となり5月8日第2回入院となった. 上部消化管内視鏡検査では中部食道の壁外性の狭窄を認め,...

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Published in気管支学 Vol. 24; no. 1; p. 62
Main Authors 沢崎拓郎, 三輪敏郎, 小田寛文, 安達康子, 水落利栄子, 鳴河宗聡, 藤田聡, 林龍二, 菓子井達彦, 松井祥子, 丸山宗治, 小林正, 原祐郁, 三崎拓郎, 薄田勝男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.01.2002
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Summary:悪性疾患による食道狭窄は拡張術のみを行っても再狭窄しやすくステント挿入が好ましいとされている. また中枢気道狭窄に対してもレーザー焼灼, 腔内照射, 光線力学的治療に加えて気道ステントが用いられている. 今回我々は中部食道および左主気管支にステントを挿入しQOLの著明改善を認めた肺扁平上皮癌の一例を経験したので報告する. 症例は48歳男性. 平成12年9月から12月当院で左主気管支原発の肺扁平上皮癌に対し化学放射線療法を行いCRと判定され, 外来通院で経過観察していたが平成13年4月頃から徐々に食思不振となり5月8日第2回入院となった. 上部消化管内視鏡検査では中部食道の壁外性の狭窄を認め, 気管支鏡検査では下部気管から左主気管支の粘膜下浸潤を認めた. 両者に対して膜つきウルトラフレックスを挿入した. 合併症としては出血・瘻孔・気管圧排を認めたが嚥下困難, 労作時呼吸困難の改善を認め退院可能な状態となった.
ISSN:0287-2137