右側大動脈弓による右主気管支狭窄に対するExpandable Metallic Stent留置の1例

Expandable metallic stent(EMS)は, 1985年にWrightらがGianturco Z stentを発表して以来, 現在まで血管領域, 非血管領域を問わず, 広い分野で臨床応用されている. 近年, 気管気管支領域においても, 結核や悪性腫瘍による狭窄や気管気管支形成術後の吻合部狭窄に対して各種ステントの応用が報告されている. 今回我々は, 右側大動脈弓の圧迫による右主気管支狭窄に対しGiantruco型EMSを用いた気管支拡張術を施行し良好な結果が得られたので報告する. (症例):92歳の男性で以前より肺炎を繰り返しており, 今回は内科的治療で改善しないため精査加...

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Published in気管支学 Vol. 16; no. 3; p. 298
Main Authors 黒須功, 小河幹治, 真庭謙昌
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 01.05.1994
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Summary:Expandable metallic stent(EMS)は, 1985年にWrightらがGianturco Z stentを発表して以来, 現在まで血管領域, 非血管領域を問わず, 広い分野で臨床応用されている. 近年, 気管気管支領域においても, 結核や悪性腫瘍による狭窄や気管気管支形成術後の吻合部狭窄に対して各種ステントの応用が報告されている. 今回我々は, 右側大動脈弓の圧迫による右主気管支狭窄に対しGiantruco型EMSを用いた気管支拡張術を施行し良好な結果が得られたので報告する. (症例):92歳の男性で以前より肺炎を繰り返しており, 今回は内科的治療で改善しないため精査加療目的で紹介された. 胸部単純写真, 断層写真, および胸部CTで右側大動脈弓による右主気管支の圧排狭窄が認められた. これに対して, 気管支鏡を用いて透視下にEMSを用いた気管支拡張術を施行した. 留置後8ヵ月の現在, 合併症や再狭窄も認められず良好に経過している.
ISSN:0287-2137