ヘモネティクスマルチを用いた自己血成分貯血の試み

当院では, 自己血MAPと自己血FFPの製造は石川県赤十字血液センターに委託したり, あるいは院内の血液バッグ遠心機を用いたりして施行してきた, 最近は成分採血装置(ヘモネティクスマルチ)を用いて自己血成分採血・貯血を試みており, その状況を報告する. 11名22回の採血・貯血を施行した. 年齢は34歳から76歳で, 体重は45kgから79kgであった. 採取前Hb値は9.8g/dlから15.4g/dlで中央値は11.4g/dlであった. MAPは血液400ml由来としたが1例では500ml由来を製造した. FFPは全て200ml採取とした. 採取に要した時間は12分から30分であり中央値は1...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 1; p. 30
Main Authors 上田幹夫, 中島孝子, 米山さゆき, 藤本慎二, 酒向良博, 水谷朋恵, 三浦裕次, 河村洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.02.2000
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ISSN0546-1448

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Summary:当院では, 自己血MAPと自己血FFPの製造は石川県赤十字血液センターに委託したり, あるいは院内の血液バッグ遠心機を用いたりして施行してきた, 最近は成分採血装置(ヘモネティクスマルチ)を用いて自己血成分採血・貯血を試みており, その状況を報告する. 11名22回の採血・貯血を施行した. 年齢は34歳から76歳で, 体重は45kgから79kgであった. 採取前Hb値は9.8g/dlから15.4g/dlで中央値は11.4g/dlであった. MAPは血液400ml由来としたが1例では500ml由来を製造した. FFPは全て200ml採取とした. 採取に要した時間は12分から30分であり中央値は18分であった. 採血・貯血・返血にあたってトラブルは見られなかった. 従来の血液バッグ採血・分離の方法に比べ時間の短縮が得られること, MAPとFFPの症例ごとによる製品格差が解消されること, バフィーコートが患者に返血されることなどはこの方法でのメリットと思われた. 今後は, 必要な成分のみの貯血, さらに1回貯血量の増量の検討などを行っていきたい.
ISSN:0546-1448