結核性気管支狭窄症に対しバルーン拡張術を行い長期観察が可能であった1例

1991年に気管支結核による気管支狭窄をきたした19歳の男性に対し, バルーン拡張術を行い有効な拡張効果が得られたので報告する. 左主気管支のpinhole状の狭窄に対しバルーン拡張術を3回(φ10~15mm×30mm, 30~50psi, 5~15分)施行し良好な拡張が得られた. その後, 左上幹にもpinhole状の狭窄を認めたためバルーン拡張術を6回(φ4~15mm×30mm, 30~45psi, 10分)施行し狭窄は改善した. バルーン拡張術施行後6年経過した現在まで炎症症状や再狭窄などなく経過良好である. バルーン拡張術は, 従来レーザー焼灼術や気管支形成術の適応となりにくかった長軸...

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Published in気管支学 Vol. 21; no. 6; p. 428
Main Authors 棚橋雅幸, 山川洋右, 桐山昌伸, 斉藤雄史, 矢野智紀, 横山智輝, 中島義明, 森山悟, 藤井義敬
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.09.1999
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ISSN0287-2137

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Summary:1991年に気管支結核による気管支狭窄をきたした19歳の男性に対し, バルーン拡張術を行い有効な拡張効果が得られたので報告する. 左主気管支のpinhole状の狭窄に対しバルーン拡張術を3回(φ10~15mm×30mm, 30~50psi, 5~15分)施行し良好な拡張が得られた. その後, 左上幹にもpinhole状の狭窄を認めたためバルーン拡張術を6回(φ4~15mm×30mm, 30~45psi, 10分)施行し狭窄は改善した. バルーン拡張術施行後6年経過した現在まで炎症症状や再狭窄などなく経過良好である. バルーン拡張術は, 従来レーザー焼灼術や気管支形成術の適応となりにくかった長軸方向に長い狭窄や, pinhole状の高度の狭窄に対しても有効であった. また, 気道粘膜を温存するため肉芽による再狭窄も少ないと考えられる.
ISSN:0287-2137