右脚ブロックとBrugada型心電図

無症候性右脚ブロックは健診や診療時にしばしば遭遇する心電図所見であるが, 一般的には予後が良いとされてきた. しかし近年, 右脚ブロックにST上昇を伴うBrugada型心電図が心室頻拍や心室細動を起し突然死の一因となる事が報告されている. 今回, 右脚ブロックの頻度やリスクファクターとの関係を健診結果より検討した. 平成10年度にA健診機関で心電図検査を含む健診を受けた65,148名を20-70歳までの年代別に分類し, その内右脚ブロックを認めた694名について高血圧, 高脂血症, 肥満についての有所見率を年代別に全対象と比較した. その結果右脚ブロックの頻度は全体で1.07%で, 加齢に伴い...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in産業衛生学雑誌 Vol. 43; no. 1; p. 9
Main Authors 西山慶子, 甲田勝康, 中村晴信, 斉藤俊二, 竹内宏一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.01.2001
Online AccessGet full text
ISSN1341-0725

Cover

More Information
Summary:無症候性右脚ブロックは健診や診療時にしばしば遭遇する心電図所見であるが, 一般的には予後が良いとされてきた. しかし近年, 右脚ブロックにST上昇を伴うBrugada型心電図が心室頻拍や心室細動を起し突然死の一因となる事が報告されている. 今回, 右脚ブロックの頻度やリスクファクターとの関係を健診結果より検討した. 平成10年度にA健診機関で心電図検査を含む健診を受けた65,148名を20-70歳までの年代別に分類し, その内右脚ブロックを認めた694名について高血圧, 高脂血症, 肥満についての有所見率を年代別に全対象と比較した. その結果右脚ブロックの頻度は全体で1.07%で, 加齢に伴い増加を認めた. 右脚ブロックが高血圧と肥満のリスクファクターを持つ有所見率は, 全対象と比べて有意差が無かったが高脂血症については有意差を認めた. 又Bruada型心電図の, 右脚ブロック群における頻度は20代;6.5%, 30代;1.5%, 40代;2.1%, 50代;3.1%, 60代;1.9%だった.
ISSN:1341-0725