子宮筋腫に対する集束超音波治療

目的と方法:集束超音波療法は, 100W/cm2を越える強力超音波を半円形の凹面プローブより放射し, その振動エネルギーを曲率中心である焦点領域に収束し, 焦点領域の組織を熱凝固する温熱療法の一つである. 我々は子宮筋腫を有する11人患者に対して, ExAblate2000(InSightec社)システムを利用して, 集束超音波治療を施行した. 結果:海外における治療成績は, 症状の消失, 軽減を含めると約80%と報告されている. 本院においては, 11例中10例で治療可能であった. このうち2例では, 1ヵ月後の経過観察で, 腹部膨満感や頻尿などの子宮筋腫による圧排症状の消失が認められた....

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Published in日本ハイパーサーミア学会誌 Vol. 19; no. 4; pp. 236 - 237
Main Authors 三上恒治, 岡田篤哉, 丸川太郎, 村上卓道, 中村仁信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 01.12.2003
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ISSN0911-2529

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Summary:目的と方法:集束超音波療法は, 100W/cm2を越える強力超音波を半円形の凹面プローブより放射し, その振動エネルギーを曲率中心である焦点領域に収束し, 焦点領域の組織を熱凝固する温熱療法の一つである. 我々は子宮筋腫を有する11人患者に対して, ExAblate2000(InSightec社)システムを利用して, 集束超音波治療を施行した. 結果:海外における治療成績は, 症状の消失, 軽減を含めると約80%と報告されている. 本院においては, 11例中10例で治療可能であった. このうち2例では, 1ヵ月後の経過観察で, 腹部膨満感や頻尿などの子宮筋腫による圧排症状の消失が認められた. 残り8例は, 現在経過観察中である. 治療を中断した1例では, 子宮筋腫が骨盤腔の背側にあるために, 十分な焼却をするのにエネルギーをあげる必要性があり, このために皮膚の痛みが制御できず, 治療を中止した. 疼痛にたいしては, 座薬や鎮痛剤の静脈投与のみで治療ができる場合が多いが, 塩酸モルヒネなどの麻薬が必要な場合もある. 合併症としては, 火傷が報告されている. 結論:子宮筋腫に対して安全に集束超音波治療を施行した. 今後, 症例を重ね, 治療適応, 詳細な症状の改善度などの検討をしていく方針である.
ISSN:0911-2529