新基準による新鮮凍結血漿の使用評価
「目的」平成元年に制定された「輸血療法の適正化に関するガイドライン」(旧基準)に基ずく新鮮凍結血漿(FFP)の使用評価は第45回本学会で報告したが, 今回平成11年の「血液製剤の使用指針」(新基準)でFFPの使用評価を行ったので報告する. 「対象および方法」 新基準が出された4ヶ月後に班員の5施設とA県内主要4医療機関における263症例を対象とした. FFPの投与はプロトロンビン時間(PT), 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT), フィブリノゲンの測定を原則とし, PT活性は30%以下, APTTは正常対照の1.5倍以上の延長, ないし100mg/dl以下の低フィブリノゲン血症を認め...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 47; no. 2; p. 213 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.04.2001
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Summary: | 「目的」平成元年に制定された「輸血療法の適正化に関するガイドライン」(旧基準)に基ずく新鮮凍結血漿(FFP)の使用評価は第45回本学会で報告したが, 今回平成11年の「血液製剤の使用指針」(新基準)でFFPの使用評価を行ったので報告する. 「対象および方法」 新基準が出された4ヶ月後に班員の5施設とA県内主要4医療機関における263症例を対象とした. FFPの投与はプロトロンビン時間(PT), 活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT), フィブリノゲンの測定を原則とし, PT活性は30%以下, APTTは正常対照の1.5倍以上の延長, ないし100mg/dl以下の低フィブリノゲン血症を認めた症例を適正な使用とした. 但し, 血栓性血小板減少性紫斑病や溶血性尿毒症症候群の血漿交換療法にFFPを置換液として使用する場合は適正とした. 「結果」 従来よりFFPの適正使用の推進がなされていた施設Kでは30例中16例(53.3%)が適正な使用であったが, A県内4病院では123例中使か7例(5.7%)が適正な使用であった. 他の4施設においても適正な使用は110例中15例(13.6%)で, 施設Kを除く4施設とA県内4病院では233例中22例(9.4%)が適正な使用であった. すなわち, FFPの使用は263例中適正な使用は38例と新基準を満たす症例は僅か14.4%であった. 「考察」 班員の施設において平成8年に旧基準で評価した調査では約1/3が適切な使用であったが, 新基準では僅か14.4%が適正な使用であることが判明した. FFPの使用にあたっては少なくとも使用前後にPTとAPTTを測定し, その適応病態の把握に努めると共に, 投与効果の評価を行う必要があり, なお一層の適正使用の推進が望まれる. |
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ISSN: | 0546-1448 |