入院中に痙攣発作を来たした症例の検討

「目的」リハビリテーションを目的として当院に入院中, 痙攣発作を来たした症例を通して治療および予防の観点から検討した. 「対象および結果」過去1年間に入院した562名中, 22名(男性16名, 女性6名)に計35回の痙攣発作がみられた. 年齢別では39~84歳(平均62歳), 基礎疾患は, 脳梗塞13名, 脳内出血5名, くも膜下出血2名など, 脳梗塞患者の8割に中大脳動脈領域の広範な梗塞巣を認めた. 発作前に抗痙攣剤を使用していなかったのは13名, 服用していたのは9名であり, 痙攣は間代性痙攣が多く, 30分以上続いた3例ではジアゼパムの静注を要した. 痙攣は抗痙攣剤にてコントロールでき,...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 38; no. 1; p. 59
Main Authors 山崎駿, 有澤修, 武富由雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.01.2001
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ISSN0034-351X

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Summary:「目的」リハビリテーションを目的として当院に入院中, 痙攣発作を来たした症例を通して治療および予防の観点から検討した. 「対象および結果」過去1年間に入院した562名中, 22名(男性16名, 女性6名)に計35回の痙攣発作がみられた. 年齢別では39~84歳(平均62歳), 基礎疾患は, 脳梗塞13名, 脳内出血5名, くも膜下出血2名など, 脳梗塞患者の8割に中大脳動脈領域の広範な梗塞巣を認めた. 発作前に抗痙攣剤を使用していなかったのは13名, 服用していたのは9名であり, 痙攣は間代性痙攣が多く, 30分以上続いた3例ではジアゼパムの静注を要した. 痙攣は抗痙攣剤にてコントロールでき, 直後の頭部CTにても新たな変化は認めなかった. 「まとめ」痙攣発作は発生時の早急の対応にて治療ができたので, 抗痙攣剤の予防的投与の是非については, 初回発作の時点で抗痙攣剤の投与を検討してもよいのではないかと考えた.
ISSN:0034-351X