当院における自己血輸血の現状

1990年1月より10月までの10ヵ月間当院で行われた自己血輸血の現状について報告する. 期間中当院で行われた手術件数4,825件に対する輸血実施件数の割合は15.0%で, そのうち15.3%に自己血輸血が実施された. 輸血実施件数のうちの自己血輸血件数の割合を主な3科でみると, 心臓外科9.8%, 整形外科61.6%, 形成外科42.6%であった. また期間中輸血された赤血球製剤10,921単位のうち自己血は642単位で5.9%であった. 今回自己血輸血を行った症例のうち検討可能な51例については, 採血量, 採血期間とも形成外科が一番多く, 整形外科, 形成外科では輸血量の70~80%が自...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 37; no. 3; pp. 445 - 446
Main Authors 梶谷佳代, 大塚志保, 吉田真由美, 峯佳子, 阿波屋典子, 藤田往子, 金光靖, 椿和央, 堀内篤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.06.1991
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ISSN0546-1448

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Summary:1990年1月より10月までの10ヵ月間当院で行われた自己血輸血の現状について報告する. 期間中当院で行われた手術件数4,825件に対する輸血実施件数の割合は15.0%で, そのうち15.3%に自己血輸血が実施された. 輸血実施件数のうちの自己血輸血件数の割合を主な3科でみると, 心臓外科9.8%, 整形外科61.6%, 形成外科42.6%であった. また期間中輸血された赤血球製剤10,921単位のうち自己血は642単位で5.9%であった. 今回自己血輸血を行った症例のうち検討可能な51例については, 採血量, 採血期間とも形成外科が一番多く, 整形外科, 形成外科では輸血量の70~80%が自己血で対応されていた. 自己血の採血量は401~800mlが最も多く, 採血期間は2週間前後であった. 出血量別の自己血使用状況については51例中30例が自己血のみで対処でき, 500ml以下の出血量に対しては未使用が7例, 1,501ml以上では他家血併用の例が7例中6例あった. また, 薬剤非投与群に比べて鉄剤投与群はヘモグロビン回復率が高く, エリスロポエチン投与によってさらに高い値を示した.
ISSN:0546-1448