骨髄移植における血清学的HLAタイピング不能例のHLA-DNAタイピング

目的:当センターでは医療機関よりHLA依頼検査を受付けているが, 今回, 血清学的HLAタイピング不能症例について, HLA-DNAタイピングを行い検討したので報告する. 対象と方法:医療機関より骨髄移植ドナー検索を目的とした患者105例, 家族385例を対象とした. 疾患別検査数はALL23例, CML21例, ANLL18例, Apla. A16例, MDS9例, 悪性リンパ腫9例, その他9例であった. HLA-A, B, C, DR, DQタイピングはLCT法にて行い, T, Bcellの分離はナイロンウールカラム法で行った. DNAタイピングは猪子らによるmodifed PCR-RF...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 40; no. 4; p. 670
Main Authors 稲葉洋行, 荒木延夫, 浜中泰光, 能勢義介, 阪田宣彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.10.1994
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Summary:目的:当センターでは医療機関よりHLA依頼検査を受付けているが, 今回, 血清学的HLAタイピング不能症例について, HLA-DNAタイピングを行い検討したので報告する. 対象と方法:医療機関より骨髄移植ドナー検索を目的とした患者105例, 家族385例を対象とした. 疾患別検査数はALL23例, CML21例, ANLL18例, Apla. A16例, MDS9例, 悪性リンパ腫9例, その他9例であった. HLA-A, B, C, DR, DQタイピングはLCT法にて行い, T, Bcellの分離はナイロンウールカラム法で行った. DNAタイピングは猪子らによるmodifed PCR-RFLP法に従った. 結果:患者家族のHLA-A, B, C, DR, DQタイピングはLCT法にて全例可能であった. 患者はHLA-A, B, Cタイピングは80例全てが可能であったが, HLA-DR, DQタイピングは86例中18例にタイピング不能例を認めた. LCT法不能例のDNAタイピングは全て可能であった. DNAタイピングの導入はLCT法による検査不能の患者のHLAタイピングに有用と考える.
ISSN:0546-1448