好酸球性肺炎におけるBALFのアレルギー的検討

急性経過を呈しステロイド治療非施行にて胸部陰影, 症状の自然消退を得た好酸球性肺炎3例を経験し, BALF中のサイトカインを中心に免疫アレルギー的検討を行ったので報告する. 検討項目としては, BALFと血清中のIL-3, IL-4, IL-5, IL-6, IL-8.GM-CSF, さらに測定可能な症例ではIFN-γ, ECP, RA-NTES, ICAM-1, VCAM-1も測定した. 結果(1)IL-5は3例とも上昇し血清中よりBALF中濃度が高値であった. (2)IL-8も上昇傾向が認められた. (3)BALF中VCAM-1も濃度補正すると肺局所での上昇が考えられた. 結語:好酸球の肺...

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Published in気管支学 Vol. 20; no. 2; p. 190
Main Authors 佐藤利雄, 下野雅健, 鎌尾高行, 玄馬顕一, 山鳥一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.03.1998
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ISSN0287-2137

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Summary:急性経過を呈しステロイド治療非施行にて胸部陰影, 症状の自然消退を得た好酸球性肺炎3例を経験し, BALF中のサイトカインを中心に免疫アレルギー的検討を行ったので報告する. 検討項目としては, BALFと血清中のIL-3, IL-4, IL-5, IL-6, IL-8.GM-CSF, さらに測定可能な症例ではIFN-γ, ECP, RA-NTES, ICAM-1, VCAM-1も測定した. 結果(1)IL-5は3例とも上昇し血清中よりBALF中濃度が高値であった. (2)IL-8も上昇傾向が認められた. (3)BALF中VCAM-1も濃度補正すると肺局所での上昇が考えられた. 結語:好酸球の肺局所への浸潤機序の一端が示唆されたが, 局所集積の直接誘因の解明には至らなかった.
ISSN:0287-2137