高免疫グロブリン血症がポリエチレングリコール間接抗グロブリン試験(PEG-IAT)へ与える影響
クームス陽性コントロールIgG 感作血球がfalse negativeになった高免疫グロブリン血症症例を契機に, 高免疫グロブリン血症がPEG-IATに与える影響について検討した. 高免疫グロブリン血症血清63中14検体(22%)でIgG 感作血球が陰性化した. IgG 濃度3,000mg/dl以上の血清では31中14検体(45%)で感作血球が陰性化した. これは, 重合・変性を起こしたIgG 蛋白がPEGによって沈澱し, 洗浄しきれずに抗血清中の抗IgGを中和し, IgG 感作血球を凝集できなかったためと考える. PEG-IATでIgG 感作血球が陰性となった場合, M 蛋白などの異常IgG...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 4; p. 455 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.08.2000
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ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | クームス陽性コントロールIgG 感作血球がfalse negativeになった高免疫グロブリン血症症例を契機に, 高免疫グロブリン血症がPEG-IATに与える影響について検討した. 高免疫グロブリン血症血清63中14検体(22%)でIgG 感作血球が陰性化した. IgG 濃度3,000mg/dl以上の血清では31中14検体(45%)で感作血球が陰性化した. これは, 重合・変性を起こしたIgG 蛋白がPEGによって沈澱し, 洗浄しきれずに抗血清中の抗IgGを中和し, IgG 感作血球を凝集できなかったためと考える. PEG-IATでIgG 感作血球が陰性となった場合, M 蛋白などの異常IgGも考慮しなければならない. また, 不規則抗体を有する高免疫グロブリン血症血清のPEG-IATを用いたスクリーニングや交差適合試験は, false negativeとなる場合も考えられるので, Alb-IATやLISS-IATで検査するのが望ましい. |
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ISSN: | 0546-1448 |