ECPが病態とパラレルな変動を示した肺胞蛋白症の1例
症例は42歳, 男子. 1ヵ月前より労作時呼吸困難が出現し当科を受診. 胸部X線・CTで肺門優位の網状・浸潤影を認め, PaO_2 58torrと低酸素血症を呈し, 肺拡散能も57%と低下していた. 気管支肺胞洗浄液は乳白色で, TBLBにて肺胞腔内にPAS陽性物質の蓄積を確認し, 肺胞蛋白症と診断した. 初診時ECP・IgEは高値であったが, 全身麻酔下に分離片肺換気とし全肺洗浄を左右1同ずつ行い, 2ヵ月後病態の改善とともにECP・IgEは低下したが, 5ヵ月後の再増悪時にはECP・IgEは再度高値となり, 病態とパラレルな変動を示した. ECPと本症の関係を検討した報告はなく, IgE高...
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Published in | 気管支学 Vol. 20; no. 2; p. 179 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
25.03.1998
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 |
Cover
Summary: | 症例は42歳, 男子. 1ヵ月前より労作時呼吸困難が出現し当科を受診. 胸部X線・CTで肺門優位の網状・浸潤影を認め, PaO_2 58torrと低酸素血症を呈し, 肺拡散能も57%と低下していた. 気管支肺胞洗浄液は乳白色で, TBLBにて肺胞腔内にPAS陽性物質の蓄積を確認し, 肺胞蛋白症と診断した. 初診時ECP・IgEは高値であったが, 全身麻酔下に分離片肺換気とし全肺洗浄を左右1同ずつ行い, 2ヵ月後病態の改善とともにECP・IgEは低下したが, 5ヵ月後の再増悪時にはECP・IgEは再度高値となり, 病態とパラレルな変動を示した. ECPと本症の関係を検討した報告はなく, IgE高値の肺胞蛋白症の報告もわずかで, 今後の検討課題と考えられた. |
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ISSN: | 0287-2137 |