長期呼吸管理中のWerdnig-Hoffmann病の1例

症例は17歳, 男性. 現病歴は, 9歳時にWerdnig-Hoffmann病と診断され, 11歳時に繰り返す呼吸不全のため気管切開を施行された. 13歳時から, 人工呼吸管理となり近医での外来通院を続けていた. 約1年前から気管カニューラ先端の気管膜様部に結節性腫瘤を認め, 徐々に増大し呼吸困難を訴えたため, 精査加療目的にて当科に紹介入院となった. 入院後, 気管カニューラよりステロイドの注入治療(5mg/day, 5回/週, 3週間)を試み, 腫瘤の縮小を認めた. 近医での継続治療可能となり退院となった. 病理組織学的には腫瘤は扁平上皮化生を伴う肉芽腫性ポリープよりなり気管カニューラの長...

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Published in気管支学 Vol. 20; no. 2; p. 188
Main Authors 小林賢悟, 大宇根晃雅, 津谷隆史, 渡部浩, 西田俊博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.03.1998
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は17歳, 男性. 現病歴は, 9歳時にWerdnig-Hoffmann病と診断され, 11歳時に繰り返す呼吸不全のため気管切開を施行された. 13歳時から, 人工呼吸管理となり近医での外来通院を続けていた. 約1年前から気管カニューラ先端の気管膜様部に結節性腫瘤を認め, 徐々に増大し呼吸困難を訴えたため, 精査加療目的にて当科に紹介入院となった. 入院後, 気管カニューラよりステロイドの注入治療(5mg/day, 5回/週, 3週間)を試み, 腫瘤の縮小を認めた. 近医での継続治療可能となり退院となった. 病理組織学的には腫瘤は扁平上皮化生を伴う肉芽腫性ポリープよりなり気管カニューラの長期刺激によって発生したと考えた. Werdnig-Hoffmann病は稀な疾患であるが十分な呼吸管理により長期生存が期待できると思われた.
ISSN:0287-2137