直接抗グロブリン試験陽性を呈する献血者について
目的:直接抗グロブリン試験(以下DATと略す)は, 血液センターの日常検査では実施していない. DAT陽性の発見の端緒は医療機関からの交差試験不適合による報告と, 日常検査の不規則抗体検出時に精査を行い判明したものが大半を占める. これらDAT陽性例を検討した. 対象と方法:1999年7月1日~2000年6月30日の期間に, 医療機関より報告されたもの, 日常検査時に検出されたものおよびDAT陽性の前回履歴があるものを対象とした. 再検査は, DAT陽性であることの確認, 解離液中の抗体活性の有無および市販パネルセルにより特異性の検査を実施した. 結果:調査期間中の献血者数は89,693人(男...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 6; pp. 580 - 581 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.12.2000
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Summary: | 目的:直接抗グロブリン試験(以下DATと略す)は, 血液センターの日常検査では実施していない. DAT陽性の発見の端緒は医療機関からの交差試験不適合による報告と, 日常検査の不規則抗体検出時に精査を行い判明したものが大半を占める. これらDAT陽性例を検討した. 対象と方法:1999年7月1日~2000年6月30日の期間に, 医療機関より報告されたもの, 日常検査時に検出されたものおよびDAT陽性の前回履歴があるものを対象とした. 再検査は, DAT陽性であることの確認, 解離液中の抗体活性の有無および市販パネルセルにより特異性の検査を実施した. 結果:調査期間中の献血者数は89,693人(男性53,246人, 女性36,447人)であった. そのうち, 検査の対象は64例(0.07%)であり, 再検査の結果, IgGのみ陽性が53例, IgG+C3d陽性が3例, 残りの8例は陰性化していた. IgG陽性例の解離液中に, 抗体活性を認めたものが16例(30%)あったが, いずれも特異性は認められなかった. また, DAT強陽性(2+以上)例は, 女性に多い傾向であった. DAT陽性例の年代別頻度は, 男性60歳未満, 女性50歳未満では, 0~0.11%であるのに比べ, 男性60歳以上, 女性50歳以上では, 0.23%~0.47%と有意に高い率を示した. まとめ:健常者のDAT陽性例は, 高齢者に高率に認められ, ある種のウイルス等の長期感染, または, 加齢に伴う免疫系の関与が示唆された. |
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ISSN: | 0546-1448 |