口臭測定における問題とその一考

口臭測定器(ABLIT社オーラルクロマ)を用いた口臭測定にサンプリングバッグ捕集を導入し, 測定効率の向上と均一化を図った. 実際に25名に応用したが, 直接吸引と開きがあったため, 今回はシリンジによる直接法での結果を報告した. 吹き込み法と同様, 吸入法でも口腔内温度の影響か, 水蒸気などの雑ガスとも検出されない者があった. そこで, 口腔常在菌の影響が大きい亜硝酸イオンの測定も行うことで, 口腔内の清掃状態の指標となるかも検討した. 亜硝酸イオンの検出は水質簡易試験紙を用いたところ, 揮発性硫化物濃度との関係は明確でないが, 食後の経過時間による硝酸イオンの増加と思われる高値があり, 揮...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 58; no. 1; p. 63
Main Authors 中根卓, 柳沢茂, 藤垣佳久, 小口久雄, 笠原香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 30.01.2008
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Summary:口臭測定器(ABLIT社オーラルクロマ)を用いた口臭測定にサンプリングバッグ捕集を導入し, 測定効率の向上と均一化を図った. 実際に25名に応用したが, 直接吸引と開きがあったため, 今回はシリンジによる直接法での結果を報告した. 吹き込み法と同様, 吸入法でも口腔内温度の影響か, 水蒸気などの雑ガスとも検出されない者があった. そこで, 口腔常在菌の影響が大きい亜硝酸イオンの測定も行うことで, 口腔内の清掃状態の指標となるかも検討した. 亜硝酸イオンの検出は水質簡易試験紙を用いたところ, 揮発性硫化物濃度との関係は明確でないが, 食後の経過時間による硝酸イオンの増加と思われる高値があり, 揮発性硫化物不検出の際でも口腔内細菌の活動による亜硝酸イオンヘの還元について説明することで, 一定の指導を行うことが可能であった.
ISSN:0023-2831