原発性限局性気管支アミロイドーシスの1例

症例は53歳, 女性. 約2ヵ月持続する咳嗽を主訴に来院した. 身体所見では右胸部に気道狭窄音を聴取した. 胸部単純X線では, 左舌区にconsolidationを, 右下葉に淡い浸潤影を認めた. 胸部CTでは, 左下区枝入口部に径約2cmの石灰化を伴う腫瘤を認め, これにより下区は無気肺となっていた. また, 右下葉気管支にも狭窄を認め, B^9 ・B^10 の末梢にはmucoid impaction及び閉塞性肺炎を認めた. 気管支鏡では, 左下区枝口は黄色滑沢な易出血性の隆起性病変により閉塞しており, 右底幹も同様の病変により狭窄を認めた. 気管支粘膜生検の結果, アミロイド沈着を認め,...

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Published in気管支学 Vol. 21; no. 7; p. 517
Main Authors 大木康弘, 川畑雅照, 岸一馬, 坪井永保, 成井浩司, 本間栄, 中谷龍王, 中田紘一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.11.1999
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は53歳, 女性. 約2ヵ月持続する咳嗽を主訴に来院した. 身体所見では右胸部に気道狭窄音を聴取した. 胸部単純X線では, 左舌区にconsolidationを, 右下葉に淡い浸潤影を認めた. 胸部CTでは, 左下区枝入口部に径約2cmの石灰化を伴う腫瘤を認め, これにより下区は無気肺となっていた. また, 右下葉気管支にも狭窄を認め, B^9 ・B^10 の末梢にはmucoid impaction及び閉塞性肺炎を認めた. 気管支鏡では, 左下区枝口は黄色滑沢な易出血性の隆起性病変により閉塞しており, 右底幹も同様の病変により狭窄を認めた. 気管支粘膜生検の結果, アミロイド沈着を認め, 免疫染色でAL蛋白陽性であった. 骨髄は正常で, 他臓器にアミロイド沈着を示唆する所見は認められなかったため, 原発性限局性気管支アミロイドーシスと診断した. 一方, 入院後の数日の抗生剤投与と安静により咳嗽は軽快し, 胸部単純X線では閉塞性肺炎・無気肺も改善した.
ISSN:0287-2137