全身の周期的加速運動の血管内皮機能に対する効果
背景, 目的:習慣的な運動は血管内皮機能を改善させ, 心血管病のリスクを減少させる. その機序は血管内皮に作用するシェアストレスによると考えられている. そこで, 臥床した状態で全身を上下に周期的に振動させる運動負荷ベッドを用いて, 全身の周期的加速運動の血管内皮機能の改善効果について上腕動脈の反応性充血反応(FMD)を評価して検討した. 方法:運動習慣のない成人ボランティア20名(平均年齢43±4歳, 女性12名, 男性8名)を対象とした. 対象者を無作為に2群に分け, 4週間の運動療法期間, 4週間の非運動療法期間の順番をクロスオーバーにて割りつけた. 1日1回, 45分間の2~3Hz,...
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Published in | 心臓 Vol. 39; no. 11; pp. 986 - 991 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本心臓財団
15.11.2007
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ISSN | 0586-4488 |
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Summary: | 背景, 目的:習慣的な運動は血管内皮機能を改善させ, 心血管病のリスクを減少させる. その機序は血管内皮に作用するシェアストレスによると考えられている. そこで, 臥床した状態で全身を上下に周期的に振動させる運動負荷ベッドを用いて, 全身の周期的加速運動の血管内皮機能の改善効果について上腕動脈の反応性充血反応(FMD)を評価して検討した. 方法:運動習慣のない成人ボランティア20名(平均年齢43±4歳, 女性12名, 男性8名)を対象とした. 対象者を無作為に2群に分け, 4週間の運動療法期間, 4週間の非運動療法期間の順番をクロスオーバーにて割りつけた. 1日1回, 45分間の2~3Hz, ±0.22gの運動を4週間の間に計20回施行した. 結果:すべての対象者において運動装置による合併症は生じなかった. 運勤療法期間, 非運動療法期間の前後で血圧, 脈拍, 脂質, 血糖, Body Mass Index(BMI)に変化は認めなかった. 運動療法群でFMDは7.3±0.6%から8.2±0.7%に有意に増加した(p<0.05). 非運動療法群ではFMDに変化は認めなかった(7.2±0.6%から7.7±0.5%), 硝酸薬による血管拡張作用は運動療法期間, 非運勤療法期間の前後で同様であった. 結論:運動習慣のない成人において, 全身の受動的な周期的加速運動は血管内皮機能を改善した. QOL向上・生命予後改善効果も含めた運動療法として期待される. |
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ISSN: | 0586-4488 |