肺炎の発症にて診断し得た気管支異物の1例

症例は40歳女性. 統合失調症のため他院にて入院治療中であった. 2007年12月に右胸痛, 咳嗽が出現. 胸部X線で右下肺野に浸潤影, 炎症反応上昇を認め, 肺炎として当科紹介受診となった. 胸部CTで右下葉に化膿症を疑わせる陰影を認めた. また中間幹, 右底区気管支の内腔が閉塞しており, 一部石灰化を伴う所見が認められた. 抗生物質投与にて症状・陰影は改善した. 2008年1月に気管支鏡検査施行. 中間幹で気管支異物およびポリープを認め, 右底区入口部がポリープで閉塞していた. まず中間幹の異物を鉗子にて牽引除去した. 次にCTでは右底区のポリープ内に石灰化を認めることより同部にも異物があ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 30; no. 4; p. 228
Main Authors 夏目一郎, 篠原絵美, 筒井俊晴, 松山俊一, 藤井真弓, 谷口優子, 塚田義一, 大河内稔, 高橋和久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 25.07.2008
Online AccessGet full text
ISSN0287-2137

Cover

More Information
Summary:症例は40歳女性. 統合失調症のため他院にて入院治療中であった. 2007年12月に右胸痛, 咳嗽が出現. 胸部X線で右下肺野に浸潤影, 炎症反応上昇を認め, 肺炎として当科紹介受診となった. 胸部CTで右下葉に化膿症を疑わせる陰影を認めた. また中間幹, 右底区気管支の内腔が閉塞しており, 一部石灰化を伴う所見が認められた. 抗生物質投与にて症状・陰影は改善した. 2008年1月に気管支鏡検査施行. 中間幹で気管支異物およびポリープを認め, 右底区入口部がポリープで閉塞していた. まず中間幹の異物を鉗子にて牽引除去した. 次にCTでは右底区のポリープ内に石灰化を認めることより同部にも異物があると考え, 掻爬して異物を確認, 摘出した. 検査後に異物は魚骨と判明した. 長期間経過した気管支異物を一期的に除去するのは困難とされているが, 本症例では肺炎の発症により早期に発見されたため一期的に除去可能であったと考えられた.
ISSN:0287-2137