成人脳性麻痺の股関節障害

「対象」脳性麻痺者40例(痙直型17例, アテトーゼ型6例, 混合型16例, 失調型1例). 四肢麻痺33例, 両麻痺3例, 片麻痺4. 独歩群10例, 独歩不能群30例. 「方法」股関節痛の有無の聴取, 股関節の屈曲外転角度, すなわち開排角度およびmigration percentageの計測を行った. 「結果」全症例での股関節脱臼の合併率は7.5%, 亜脱臼を加えると26.3%であった. 左右どちらかに脱臼・亜脱臼のあるものは17例42.5%であった. 歩行可能群では20%歩行不能群では28.3%に脱臼・亜脱臼が合併していた. 股関節部痛を認めたものは, 12例15股18.8%で, 亜脱...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inリハビリテーション医学 Vol. 35; no. 7; pp. 509 - 510
Main Authors 野村忠雄, 藤木勇治, 影近謙治, 上田康博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.07.1998
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「対象」脳性麻痺者40例(痙直型17例, アテトーゼ型6例, 混合型16例, 失調型1例). 四肢麻痺33例, 両麻痺3例, 片麻痺4. 独歩群10例, 独歩不能群30例. 「方法」股関節痛の有無の聴取, 股関節の屈曲外転角度, すなわち開排角度およびmigration percentageの計測を行った. 「結果」全症例での股関節脱臼の合併率は7.5%, 亜脱臼を加えると26.3%であった. 左右どちらかに脱臼・亜脱臼のあるものは17例42.5%であった. 歩行可能群では20%歩行不能群では28.3%に脱臼・亜脱臼が合併していた. 股関節部痛を認めたものは, 12例15股18.8%で, 亜脱臼・脱臼での疼痛の発生率は42.1%, 正常股では11.9%であった. 股関節開排角度は20°以下が46.3%であった. 「考察」いかに機能障害が重度でも幼児期からの股関節脱臼の予防は重要である.
ISSN:0034-351X