気管気管支骨軟骨形成症に多発性の扁平上皮化生と肺癌を合併した1症例
症例は54歳男性, B.I.600の元喫煙者. 1998年4月検診にて喀痰細胞診D判定のため, 同年7月当科外来初診. 気管支鏡にて声帯直下より左右気管支にかけてびまん性の白苔, 気管内腔に突出する隆起性病変の多発あり. 白苔は擦過細胞診にて扁平上皮化生と診断. 右B^6 入口部生検より扁平上皮癌を認め精査加療目的にて入院. 理学所見, 検査成績にて異常を認めず, SCC, CYFRA共に正常であった. その後隆起性病変は気管気管支骨軟骨形成症と診断. 右上葉入口部からも扁平上皮癌を検出したため, 右気管支に計60GY照射施行. その結果, 癌及び扁平上皮化生病変の消失をみた. 気管気管支骨軟...
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Published in | 気管支学 Vol. 21; no. 7; p. 509 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
25.11.1999
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ISSN | 0287-2137 |
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Summary: | 症例は54歳男性, B.I.600の元喫煙者. 1998年4月検診にて喀痰細胞診D判定のため, 同年7月当科外来初診. 気管支鏡にて声帯直下より左右気管支にかけてびまん性の白苔, 気管内腔に突出する隆起性病変の多発あり. 白苔は擦過細胞診にて扁平上皮化生と診断. 右B^6 入口部生検より扁平上皮癌を認め精査加療目的にて入院. 理学所見, 検査成績にて異常を認めず, SCC, CYFRA共に正常であった. その後隆起性病変は気管気管支骨軟骨形成症と診断. 右上葉入口部からも扁平上皮癌を検出したため, 右気管支に計60GY照射施行. その結果, 癌及び扁平上皮化生病変の消失をみた. 気管気管支骨軟骨形成症は稀な病態であるが, 逆に肺癌, 特に腺癌の合併が多いと報告されている. 本症例は扁平上皮癌であり, 扁平上皮化生の多発を認め, 放射線治療によりこれらも消失を認めたことから非常に貴重な症例であると考えられる. |
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ISSN: | 0287-2137 |