高血圧自然発症ラットの大腿骨頭壊死-免荷による骨頭栄養血管の発達

【目的】荷重ストレスの変化が,高血圧自然発症ラット(SHR)の骨頭栄養血管(LEAs)の発達にどのように影響しているのかを知る目的で,ラットの片側股関節を下腿切断により免荷状態にし,LEAsの形態変化を観察した.【対象および方法】生後3週齢の雄SHRおよび雄ウィスター京都ラット(WKR)をそれぞれ15匹を用い,4週齢で左側は下腿切断にて免荷した.生後6,9,12,15,20週目に,腹腔大動静脈から生食水で脱血,潅流した後,樹脂を注入し大腿骨頭の血管鋳型透明標本を作製した.【結果,考察】SHRにおけるLEAsは,荷重側では,軟骨穿通部で途絶しているものが多かったが,免荷側でよく発達していた.WK...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 2; p. 556
Main Authors 吉田伍一, 平野徹, 岩崎勝郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.1997
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ISSN0037-1033

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Summary:【目的】荷重ストレスの変化が,高血圧自然発症ラット(SHR)の骨頭栄養血管(LEAs)の発達にどのように影響しているのかを知る目的で,ラットの片側股関節を下腿切断により免荷状態にし,LEAsの形態変化を観察した.【対象および方法】生後3週齢の雄SHRおよび雄ウィスター京都ラット(WKR)をそれぞれ15匹を用い,4週齢で左側は下腿切断にて免荷した.生後6,9,12,15,20週目に,腹腔大動静脈から生食水で脱血,潅流した後,樹脂を注入し大腿骨頭の血管鋳型透明標本を作製した.【結果,考察】SHRにおけるLEAsは,荷重側では,軟骨穿通部で途絶しているものが多かったが,免荷側でよく発達していた.WKRのLEAsは,荷重側および免荷側ともに発達は良好であった.骨頭壊死を頻発する特殊なラットであるSHRも,荷重ストレスを減じてやりさえすれば,普通のラットと同じように栄養血管が発達し,骨頭壊死も発生しにくくなる事がわかった.
ISSN:0037-1033