アフェレーシス血小板(PC)の血小板機能安定化剤の検討
【目的】前回まで, 4℃保存PCは, 22℃保存PCに比べて血小板凝集能やCD62マーカーなどの血小板機能が高く保持されることを報告した. 今回, 血小板機能安定化剤として知られているビタミンE(以下Vit・E)について検討を行った. 【方法】学内登録ドナー20例からのpcに, Vit.Eを添加して血小板凝集能(ADP10uM, collagen2.0mg/ml), CD62マーカー等を経日的に検討したVit.Eについては, 脂溶性であるためエタノールに溶解後(0.2mg/ml~0.6mg/ml)を添加した. 【結果】22℃保存PCの血小板凝集能は, これまでの報告同様, 2日以後の保存では凝...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 2; p. 286 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.04.1999
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Summary: | 【目的】前回まで, 4℃保存PCは, 22℃保存PCに比べて血小板凝集能やCD62マーカーなどの血小板機能が高く保持されることを報告した. 今回, 血小板機能安定化剤として知られているビタミンE(以下Vit・E)について検討を行った. 【方法】学内登録ドナー20例からのpcに, Vit.Eを添加して血小板凝集能(ADP10uM, collagen2.0mg/ml), CD62マーカー等を経日的に検討したVit.Eについては, 脂溶性であるためエタノールに溶解後(0.2mg/ml~0.6mg/ml)を添加した. 【結果】22℃保存PCの血小板凝集能は, これまでの報告同様, 2日以後の保存では凝集能はほとんど失われた. よって, 以降の検討は4℃保存PCについてのみ行ったその結果, VitB以外の薬剤添加の経日変化は, 採血後2日後のADP凝集能を10%~20%抑制する傾向がみられた. 一方, Vit.E添加PCは, 添加により差の見られた8例と差の見られなかった12例とに分かれたが, 添加により差の見られた8例は, 無添加では保存日数とともに凝集能の低下が著しい例であった. また, 保存4日後4℃から室温に戻すと, V止Eを添加したpcで凝集能が維持される傾向にあった. CD62マーカーの経日変化は, Vit.E添加したpcで血小板の活性化が押さえられる傾向にあったが, 4℃から室温に戻すと添加の有無に関わらず急速な活性化が見られた. 【考察】今回, Vit.E添加により差の見られた8例に, 保存PCの凝集能の維持作用があることがわかった. これらの症例は, 無添加では保存日数とともに凝集能の低下が著しい例であり, Vit.Eが血小板機能の低下あるいは膜障害の大きい血小板には抗酸化作用, 生体膜安定化作用, サイトカイン産生抑制作用のあるVit.Eが有効に働いているのではないかと推測された. 今後, 症例を重ねpcのVit.E添加による形態像や各種マーカーについて検討を加えていく予定である. |
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ISSN: | 0546-1448 |