リポ蛋白分画(LPF)電気泳動におけるカイロミクロンや変性リポ蛋白の影響
【目的】アガロース膜を支持体とする血清リポ蛋白分画電気泳動法ではしばしば原点残渣や原点からのテーリングが測定される. 一般的な原因はカイロミクロンと言われているがその記載は少なく, 定かでない. 今回我々はカイロミクロンがリポ蛋白分画電気泳動に与える影響や原点残渣の成因について調べ, 若干の知見を得たので報告する. 【方法】カイロミクロンやカイロミクロンの分解産物でである脂肪酸の影響を調べるため, カイロミクロンや脂肪酸及びにコントロール血清や超遠心分離より得られたHLD, LDL+VLDL分画検体を用いて電気泳動を行った. また原点残渣の成因についてはカイロミクロンだけでなく変性リポ蛋白も関...
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Published in | 生物物理化学 Vol. 37; no. 5; p. 270 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本電気泳動学会
01.10.1993
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ISSN | 0031-9082 |
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Summary: | 【目的】アガロース膜を支持体とする血清リポ蛋白分画電気泳動法ではしばしば原点残渣や原点からのテーリングが測定される. 一般的な原因はカイロミクロンと言われているがその記載は少なく, 定かでない. 今回我々はカイロミクロンがリポ蛋白分画電気泳動に与える影響や原点残渣の成因について調べ, 若干の知見を得たので報告する. 【方法】カイロミクロンやカイロミクロンの分解産物でである脂肪酸の影響を調べるため, カイロミクロンや脂肪酸及びにコントロール血清や超遠心分離より得られたHLD, LDL+VLDL分画検体を用いて電気泳動を行った. また原点残渣の成因についてはカイロミクロンだけでなく変性リポ蛋白も関与して, いると考え, 変性度合の少ない凍結保存検体や変性度合の比較的大きい糖化リポ蛋白, 酸化リポ蛋白, アセチルリポ蛋白を作成して電気泳動を行った. カイロミクロンの分取は高カイロミクロン検体を用いて遠心操作を行いカイロミクロンを浮遊させた後, カイロミクロン層の上に水を重層して, 超遠心操作を行って分取した. |
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ISSN: | 0031-9082 |