加齢に伴う体幹筋力の変化について
腰痛発現の危険因子としての体幹筋力低下に関して, 加齢の影響については不明な点が多い. 今回, 健常人女性の体幹筋力の加齢変化を明らかにするために本研究を行った. 対象は, 腰痛の経験のない228人の女性をボランティアとした. 測定はKin Com 500F trunk test unit(Chattecx社)を用い体幹の屈曲・伸展力を測定した. 測定は, 等張性収縮(求心性・遠心性収縮)で行った. 伸展筋力は, 求心性収縮が60歳以上, 遠心性が70歳以上で低下を有意に認めた. 屈曲筋力は, 求心性・遠心性収縮とも60歳以上で低下を有意に認めた. 屈曲・伸展筋力の遠心性/求心性収縮比は年齢に...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 36; no. 1; p. 65 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.01.1999
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Summary: | 腰痛発現の危険因子としての体幹筋力低下に関して, 加齢の影響については不明な点が多い. 今回, 健常人女性の体幹筋力の加齢変化を明らかにするために本研究を行った. 対象は, 腰痛の経験のない228人の女性をボランティアとした. 測定はKin Com 500F trunk test unit(Chattecx社)を用い体幹の屈曲・伸展力を測定した. 測定は, 等張性収縮(求心性・遠心性収縮)で行った. 伸展筋力は, 求心性収縮が60歳以上, 遠心性が70歳以上で低下を有意に認めた. 屈曲筋力は, 求心性・遠心性収縮とも60歳以上で低下を有意に認めた. 屈曲・伸展筋力の遠心性/求心性収縮比は年齢に伴い増加し, その増加は屈曲より伸展筋力において大きかった. 今後, 高齢者の腰痛発現を未然に防止するためには, 60歳以前の体幹筋力の増強, 特に求心性収縮に重点を置いた腰痛体操が重要であると考えられた. |
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ISSN: | 0034-351X |