糖尿病教育入院における運動処方の効果
「目的」当院にて行っている糖尿病教育入院患者の改善度について, 同時に行っている糖尿病運動指導がどのように影響を及ぼしているかを検討した. 「対象・方法」当院で平成10年に約2週間の期間で糖尿病教育入院プログラム, および運動処方依頼を受けた32名(男性15名, 女性17名, 年齢17~81歳)を対象とした. 運動処方依頼単位数は1~3であるが, 実施状況および達成度を調査し, 運動実施評価単位として0.5~3に評価し直した. 糖尿病教育入院の効果判定は, 入院前HbAlc値と, 退院後3カ月以内の最良のHbAlc値との比率をもって改善率とした. HbAlc値改善率80%で対象を改善群(16例...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 37; no. 11; pp. 871 - 872 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.11.2000
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 「目的」当院にて行っている糖尿病教育入院患者の改善度について, 同時に行っている糖尿病運動指導がどのように影響を及ぼしているかを検討した. 「対象・方法」当院で平成10年に約2週間の期間で糖尿病教育入院プログラム, および運動処方依頼を受けた32名(男性15名, 女性17名, 年齢17~81歳)を対象とした. 運動処方依頼単位数は1~3であるが, 実施状況および達成度を調査し, 運動実施評価単位として0.5~3に評価し直した. 糖尿病教育入院の効果判定は, 入院前HbAlc値と, 退院後3カ月以内の最良のHbAlc値との比率をもって改善率とした. HbAlc値改善率80%で対象を改善群(16例)と非改善群(14例)に分け, これに運動実施評価単位が影響しているか検討するために, クロス集計, X^2 分析を行った. 「結果・考察」改善群の運動実施評価単位数は14例が1.5以上であり, 2例が1.5未満であった. 非改善群の運動実施評価単位数は10例が1.5未満であり, 6例が1.5以上であった. 改善群, 非改善群についての運動実施評価単位数1以下, 1.5以上のクロス集計表でのX^2 分析は5%以下の危険率で有意であり, 教育入院におけるHbAlc値改善に運動実施評価単位数が効果を及ぼしていると考えられた. HbAlc値はほとんどの例で教育入院後数力月以内に, 一般的改善の目安である7以下になるが, HbAlc値改善率と運動実施評価単位数を考慮することで, より詳細に理学療法の効果を調べることが可能であった. |
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ISSN: | 0034-351X |