喫煙者におけるニコチン依存度と健康診断結果

近年, 喫煙による健康障害が取り上げられていることから, ある事業場従業員に, アンケートを実施し, ニコチン依存度指数が計算できた791名のニコチン依存度と健康診断結果を比較検討した. その結果, 生活習慣では, 運動を殆どしない, 休肝日なしの飲酒の比率がニコチン依存度に比例して有意に高かった. いわゆるヘビースモーカーは, 健康意識が低く, 他の生活習慣も良くないことを示していると考えられた. 自覚症状でも, 胸痛, 咳や疫, 手足のしびれ, 胃の調子が悪い, お腹の調子が悪い, いらいら等を訴える人がニコチン依存度と比例していた. これは, 喫煙が悪影響を及ぼしている結果と考えられる....

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 43; no. 1; p. 8
Main Authors 奥村富美恵, 西田圭志, 石橋正代, 吉村友里, 斉藤政彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.01.2001
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ISSN1341-0725

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Summary:近年, 喫煙による健康障害が取り上げられていることから, ある事業場従業員に, アンケートを実施し, ニコチン依存度指数が計算できた791名のニコチン依存度と健康診断結果を比較検討した. その結果, 生活習慣では, 運動を殆どしない, 休肝日なしの飲酒の比率がニコチン依存度に比例して有意に高かった. いわゆるヘビースモーカーは, 健康意識が低く, 他の生活習慣も良くないことを示していると考えられた. 自覚症状でも, 胸痛, 咳や疫, 手足のしびれ, 胃の調子が悪い, お腹の調子が悪い, いらいら等を訴える人がニコチン依存度と比例していた. これは, 喫煙が悪影響を及ぼしている結果と考えられる. 健康診断の有所見率とニコチン依存度との関係では, ニコチン依存度の高い人に赤血球の少ない人が多かった. 従って, ニコチン依存度は, 生活習慣や自覚症状に関連するものの, 健康診断結果とは明確な関連を示すほどの因子ではないと考えられた.
ISSN:1341-0725