胃電図変化に及ぼす全身振動と食事の影響

長期全身振動曝露者には, 消化器系症状の訴えが多いとの報告があり, その作用機序の解明に関心が持たれている. 今回, 我々は短時間の全身振動曝露刺激が胃の運動性に及ぼす影響を明らかにするために, 非侵襲的に胃運動性を評価できる表面胃電図法を用いて検討した. 対象は特に胃腸症状の無い10名の健康青年(平均年齢22歳)で, 振動は加振装置を用いて4Hzの正弦垂直振動を坐位姿勢にて10分間負荷した. 表面胃電図は電極を上腹部剣状突起と臍部間の1/2の高さに水平に6cm間隔で貼り, 振動負荷前, 中, 後10分ずつ測定した. 信号は生体アンプで増幅し, 周波数分析によりパワースペクトルを求めた. 尚,...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 40; no. 4; p. 123
Main Authors 宮崎勇三, 石竹達也, 安藤英雄, 鹿野美穂子, 堤明純, 的場史佳, 力丸英明, 末永降次郎, 的場恒孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.07.1998
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ISSN1341-0725

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Summary:長期全身振動曝露者には, 消化器系症状の訴えが多いとの報告があり, その作用機序の解明に関心が持たれている. 今回, 我々は短時間の全身振動曝露刺激が胃の運動性に及ぼす影響を明らかにするために, 非侵襲的に胃運動性を評価できる表面胃電図法を用いて検討した. 対象は特に胃腸症状の無い10名の健康青年(平均年齢22歳)で, 振動は加振装置を用いて4Hzの正弦垂直振動を坐位姿勢にて10分間負荷した. 表面胃電図は電極を上腹部剣状突起と臍部間の1/2の高さに水平に6cm間隔で貼り, 振動負荷前, 中, 後10分ずつ測定した. 信号は生体アンプで増幅し, 周波数分析によりパワースペクトルを求めた. 尚, 空腹時, 食後, 自律神経遮断薬投与後それぞれに同じ振動負荷を行い比較検討した. 全てにおいて振動中はパワー値が減少し, 振動後速やかに回復した. これにより全身振動により胃運動性が抑制されることが示唆された.
ISSN:1341-0725